SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

Instagram活用企業特集

“Instagramっぽさ”とブランドメッセージを両立させるには? SUUMOが進めた動画広告施策


「物件を探すならSUUMO」以外のアプローチ

――施策の具体的な話を伺いたいと思います。ターゲットはどこに設定されたのですか?

竹内氏:賃貸で一人暮らしをしている、もしくは一人暮らしに憧れている若年層の女性の方々に絞りました。具体的には、下は18歳くらいから20代後半までの方々をメインのターゲットに設定しました。

伊藤氏:Instagramに触れる機会が多く、且つ、住まい探しの情報へのニーズを潜在的に持っている方々を意識しています。

――Instagramではクリエイティブが重要かと思います。クリエイティブはどのように決定されたのでしょうか?

伊藤氏:まずはターゲット層のインサイトを探り、仮説立てをしました。今回の施策の軸となった仮説は「若年層で一人暮らしをしている方々のインサイトとして、趣味・嗜好・価値観や大切にしている世界観などを、自分の部屋や住空間に反映したいという欲求が大きいのではないか?」というものです。そこで、最初に「私の部屋が私です」というコンセプトキャッチコピーができました。

竹内氏:そこからビジュアルのアイディアを出し合い、最終的に読書好き・料理好き・サーフィン好きという3つのテーマを設けました。そして、部屋の世界観や住人の暮らしの様子を切り取った15秒動画を各部屋で3パターン、合計9本用意しました。

 伝えたかったメッセージは、2つです。ひとつは純粋に、クリエイティブを通して好きな事や価値観を部屋に反映する楽しさを味わっていただきたいということ。そして、もうひとつが、SUUMOはあなたの空間づくりの実現を応援しているということです。物件を探すならSUUMOというアプローチではなく、必ずしも引っ越さなくても、自分らしい部屋や暮らしの実現によってハッピーになっていただきたい、そんな方々の暮らしに伴走していくブランドであるというイメージを感じていただければと考えました。

――公式アカウントも開設されていますが、そちらとはどのような使い分けをされたのですか?

伊藤氏:今回、動画広告の展開と公式アカウント(@suumo_official)開設はほぼ同じタイミングでした。そのため、動画広告は公式アカウントの存在を知っていただくために実施した側面もあります。

竹内氏クリエイティブの視点でいうと、公式アカウントで投稿している写真と動画広告には共通点があります。先ほども触れましたが、ビジュアルを通して住人の個性が反映された部屋を紹介するという点です。動画内の部屋は広告用に作り込まれた架空のものです。一方、通常投稿は広告で使用した部屋以外にも、一般の方が実際に住んでいる様々な「好き」が詰まったリアルな部屋をアップしています。動画広告を見て公式アカウントに訪問された際には、同一のコンセプトを感じていただけるかと思います。

「Instagramっぽさ」はどうやって作る?

――Instagramも利用者が自身の世界観や好みを重要視する空間かと思います。そこに、広告を投下するということに懸念はなかったのでしょうか?

伊藤氏:クリエイティブの内容に対してというよりは、広告を表示すること自体に対する否定的なご意見もありましたが、一方でクリエイティブの内容について好意的なコメントをいただくこともできました。

竹内氏:クリエイティブを作る際にも、まさにそこに一番気をつけました。とにかくInstagramの世界観に合わせること、利用者の方々のフィードの中で不快な存在にならないことを大切にしました。

――「Instagramっぽさ」を出すために、注意した点はどこですか

竹内氏:登場する部屋にリアリティを持たせるという点は気を付けました。ショールームのようなお部屋にならないよう、素敵だけど手が届きそうな部屋、変わっているけど生活感のある部屋、という具合です。でも、最も頭を悩ませたのは、キャラクターの表現です。単に素敵な部屋の写真だけだと、他のブランドと違いを出せません。SUUMOだとわかってもらうためには、アイコンがあった方がいい。しかし、表現方法によっては押しつけがましくなってしまったり、写真の世界観を壊してしまったりします。

伊藤氏:本当に試行錯誤しましたね。写真の下部にスーモくんの後頭部の一部のみを映す構図はどうか、とか。写真全体がスーモくんの目線になるイメージですね。他にも、動画なので、最後のカットにスーモくんが登場する見せ方もできるよね、とか。最終的にぬいぐるみを使用することにしたのですが、サイズが大中小とあるので、どのサイズがしっくりくるか試したりもしました。

公式アカウントで公開されている写真でも、スーモくんをどこに置くか試行錯誤されているとのこと

 ブランドアイコンには気付いてもらいたいけれど、気は取られないようにしたかったので。蓋を開けてみると「スーモくんかわいい」というコメントが意外と多く、スーモくんまだまだいける! と自信にもつながりましたね(笑)。

次のページ
広告想起が44pt、ブランド認知が6ptリフトアップ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
Instagram活用企業特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。2013年までは書籍の編集をしていました。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/01/27 14:38 https://markezine.jp/article/detail/23574

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング