キャンペーン期間中のイメージが著しく向上
MZ:知名度が課題のサービスで、TVCM×ネット広告の重複接触が、明らかに認知や行動喚起につながっているという結果ですね。属性別の効果などは、いかがでしたか?
三和:中心ターゲットであるF1・F2層は、もともと知っている人が多かったためか、認知より興味喚起や利用以降の向上が目立ちました。おそらくTVCMを流したことで、メジャーなサービスなのだと興味を持ってもらえたのではないかと。逆にM1・M2層は、認知率やサービス理解度が高まっていました。
岩津:女性への効果でいうと、たしかに好感度の向上に手応えがありましたね。われわれが継続的に行っているブランディング調査からは、競合サービスと比べても、キャンペーン期間中に圧倒的にイメージが向上していました。「LOHACOを使ってこんな生活がしたい」など、世界観に共感いただいたことが分かりました。
友澤:ただ購買を促すだけなら、リターゲティングのほうが効果は高かったかもしれません。ただ、今回の目的として、やはりLOHACOが伝えたいメッセージや雰囲気を見せ切ることが先にあった。それを把握する指標をどう捉えていらっしゃるか、逆に聞きたいと思っていたのですが、やはり好感度などのブランディング指標なんですね。
岩津:そうですね。その上で、売上という実利も得られました。期間中、実際にLOHACOのオーガニック検索や初回購入が明らかに増え、翌月、翌々月を見たときのリピート率も高かったです。
コンバージョンを担うデジタルにはさらに投資してもよい
MZ:先ほど、キャンペーン終了後も効果が下がらなかったというお話がありました。これについてはどうご覧になっていますか?
友澤:GRPにもよりますが、TVCMはインパクトが高い分、効果が瞬間的である場合も多いと思います。以前から、ネット広告が下げ止まりの役目を果たすという結果は、われわれも把握していました。今回もそうした効果があったのでは、というのがひとつと、初回購入後のリピートはサービスの質次第でもあるので、その点だと思います。
そもそものサービスの質と、コンテンツの質というベースがあるものをクロスメディアで見せたことで、複数接触の効果がさらに高まったのではないでしょうか。
MZ:なるほど。では最後に、今後の展望をお聞かせください。
岩津:一連の施策を通して、デジタルは必須だと実感しました。実際のコンバージョンは、デジタルが担うため、もっと投下してもいいかもしれません。今回は初めての大型キャンペーンでしたが、今後も戦略的に、特に次はスマートフォンも含めて取り組みたいですね。
三和:スマホでのブランディング、そしてアプリへの展開はわれわれの課題ですね。
友澤:そうですね、テレビ×PC×スマホのトリプルスクリーン連携を早急に確立します。同時に、テレビ×ネットでもリターゲティングや検索連動型広告も含めた複合的な施策を、全体的なROIを踏まえてハンドリングできるように、知見をためていきたいですね。