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『HOME’S』のデータでオウンドメディアを育てる~新・不動産業界のマーケティングに迫る

中小企業こそ強みを活かせる、データ分析&オウンドメディア

清水:NabiSTAR Reportを利用する企業の規模は、どの程度を想定していますか。

野口:規模の大小問わず広く使っていただきたいです。2015年より提供を始めて3ヶ月経ちますが、すでに申込数だけでいえば100社を超えています。先ほどもお伝えしましたが、どうしても自社サイトまで手を回せず、ポータルサイトに予算のほとんどを充てている。ただ、自社サイトも集客の窓口のひとつなので、企業としてはホントは活用したいのが本音ではないでしょうか。特に中小規模の企業ではそういった傾向があります。

清水:ただ中小規模の企業の場合は、現状のままポータル依存でもいいのでは、とこれまでの話を含め思いました。小さい規模のサイトが複数できたとして、それらが横断しなければ広がりもない。

 そのため、規模やブランド力がある程度大きい企業は新たな集客チャネルに力を入れ、それ以下の企業は持たないと割り切って、その分ポータルサイトに掲載する情報を充実させるのも1つの考えではないでしょうか。

野口:現在は確実にその流れが強いと思います。とはいえ、不動産はWeb上で完結できないところがまた難しい。最終的には現場・店舗に行き、物件や周辺の情報を自分の目で見なければ、契約しないはず。その際、安心感を得るために、契約する会社は信頼できそうか、営業担当者はどんな人か知りたいというニーズも一定数あり、そういったことはWeb上でも伝えていけると考えています。

清水:どういう会社が管理しているかというのも重要な情報のひとつですね。

野口:そこで今後はNabiSTAR Reportを通じて、周辺情報で揃えるべきコンテンツをユーザータイプの分析によって導くなど、自社サイトのコンテンツの方向性についてアドバイスしたいですね。

アナリストが提案する、新・不動産会社のマーケティング

清水:これまでのお話を聞いての提案なのですが、ポータルサイトに自社サイトへのリンクを分散させ、どの情報に関するリンクをクリックするか計測するのはいかがでしょうか。

 例えば、あるユーザーが自社サイトへ地図のリンク経由で訪問したものの、他のサイトでそのユーザーは、購入したユーザーの声に関するコンテンツを読む傾向がある。それがわかれば、購入者へのインタビューや調査のコンテンツを用意できますよね。

 そのように、ユーザーが自社サイトに何を求めてくるかがわかる仕組みを作ると良いかと思いました。

野口:そうですね。それができれば、ユーザーの欲するコンテンツが視覚化できます。実はNabiSTARでもすでにそういったデータは収集できているので、早期にレポートとして提供していきたいです。

清水:ポータルサイトは物件情報を整理して載せる力があると思います。ですので、わざわざ同じ情報を自社サイトで無理に載せる必要もないと感じました。メンテナンスコストもかかりますしね。その点、企業に関するコンテンツは、掲載と削除を繰り返す必要のある物件情報とは違い、制作したものは継続して使うことができるので費用対効果も高くなります。

野口:集客メディアとして考えるとつい、ポータルサイトと自社サイトは対立すると考えがちですが、互いに役割を補完しあえる関係が清水様の提案であれば作っていけそうです。そうなると、データの相互利用などもより進むと思うので、積極的に目指したいですね。

清水:もちろん、大規模の企業で、オウンドメディアもしっかり作りこめてかつポータルサイト側でも集客する資金と人材がいれば、ともに強化していっても良いと思いますが、中小規模の企業までのテール部分を狙っていくなら、この方法が良いと思います。

 また、補完なので、自社サイトのコンテンツがポータルサイトの内容と被らないようにするのもポイントです。ポータルサイト上で用意できる情報で収まらないものを、自社サイトで伝えたいですね。

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顧客視点でユーザーデータを揃える

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/03/25 12:00 https://markezine.jp/article/detail/24055

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