神戸デジタル・ラボは、キリン提供の自動販売機データをもとに、製品化を進めている購買行動シミュレータを用いて、「自動販売機のデータから生成した関心モデルによる購買行動シミュレーション」の実証実験を実施した。
結果、実データと比較して妥当なシミュレーション結果が得られ、また本シミュレータにより生成される「関心モデル」によって、消費者の商品に対する関心を可視化することに成功した。
同実験結果から、購買行動シミュレータにより商品を変更した場合や新商品を入荷した場合のシミュレートが可能であること、また個々に異なる消費者の関心を可視化できることが実証された。これにより、例えば商品ラインナップの検討や翌月のシミュレーションに基づく在庫の管理などへの本シミュレータの活用が期待できる。
購買行動シミュレータとは
購買行動シミュレータとは統計データや実行動ログデータから自動的に生成する「関心モデル」によって、個々に異なる興味・関心を持つ消費者の仮想の行動ログデータを必要人数分生成し、購買行動をシミュレーションできるソフトウェアです。「関心モデル」とは、商品やサービス、場所等への関心の度合いを数値化したもの。
従来のシミュレータで用いる行動モデルのように条件や確率などのルールを決めることなく行動をシミュレーションできるため、状況によって変化する人の行動をシミュレーションできる。
同実験は、自動販売機の購買データを元に、同シミュレータを用いて購買行動をシミュレーションした結果を実際の購買データと比較し、妥当性があるかどうかを検証したもの。
キリンが保有する2015年7月の自動販売機の購買データから関心モデルを生成し、それを元に同月の購買行動、および翌月の購買行動をシミュレーションし、シミュレーション結果による購買データを実際の購買データと比較したところ、どちらも誤差は概ね2%以内に収まり、妥当性があると言える結果が得られた。
また、2015年7月のある自動販売機の購買データを元に、個々の消費者の各商品に対する関心度を算出したところ、消費者ごとに異なる「商品に対する関心の度合い」が可視化された。これにはまだ購入したことのない商品への関心も含まれており、人の潜在的な関心を可視化できることを実証する結果となった。
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