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テレビCMの本当の効果を測る新指標『GAP(グロス・アテンション・ポイント)』とは何か

デジタル化は必然、一方で「踊らされない」姿勢も必要

MZ:まさに過渡期にあるわけですね。そのような時代に、マーケターや広告・宣伝担当者はどんな心構えやスキルが必要なのでしょうか。

横山:近年は「デジタルマーケティング」というワードが盛んに使われますが、そう声高に叫んでいる人の多くはデジタル領域しか知らない人です。デジタルマーケティングの本質は、デジタルという特殊なマーケティングがあるのではなく、マーケティングがデジタル化することにどう対応するのかということです。

 企業活動全体にデジタル化の波はもう来ています。従来、「広告・販促」のことをマーケティングと呼んでいた会社が、デジタル化によってその会社における「マーケティング」を再定義する必要があります。

 経営企画部がやらないといけないのは、デジタルマーケティング部という組織をつくる以前に、その会社の「マーケティング」を再定義して社長から全社員と新たな定義を共有することです。そのうえでの箱づくりでないと、箱に入れる人財のスキルも定義できません。

 またマス広告を主体にやってきた宣伝部こそがデジタル化を果たさないといけません。そのためには、宣伝部がデータ武装する必要があります。デジタルマーケティングとはほぼデータドリブンマーケティングといえます。データ武装しないデジタルマーケティングはありません。

 今回のGAPは、広告マーケティングに携わる人のデータ武装を促進するものだと考えています。デジタルインテリジェンスではすでに、競合他社とデータ比較できるようなダッシュボードを設計構築しています。最適なデータドリブン型広告マーケティング戦略を支援するツールです。

 広告戦略を最適化することの最大のメリットは、それが営業利益に直結することです。これまでは、広告予算が100億円あれば、それを使い切ることがある意味ミッションでした。しかし、目標をKPI達成にして、達成したら予算は余らせて会社に返還するようにすれば、また予算を余らせて目標達成したことを会社がおおいに評価することになれば、余らせた分はPLに直結して、計画より営業利益が増えることになります。経営者から見れば、PLに反映することでより広告マーケティング活動への関心も高まることでしょう。

 とはいえ、矛盾するようですが、データに右往左往しない姿勢も必要です。データは戦略最適化のために必要ですが、データそのものでは何の意味もありません。データやそれを情報(インテリジェンス)として可視化するマーケティングダッシュボードとは、飛行機のコックピットにある計器類を同じです。

 計器は飛行機を操縦するためにあるのであって、ただ「ふ~ん」と眺めているだけだと墜落してしまいます。「打ち手」ありきでデータを扱ったり、ダッシュボードを装備すべきです。データは有益な情報や知見に変えていかないと意味がないのです。

 やってみないとわからないことはたくさんあります。従来経験と勘でやってきた「勝ちパターン」をデータが立証してくることも多いと思います。それを単に「やはり、当たり前だ。」と思わず、データが立証したことを評価すべきです。もちろん従来のやり方を否定するデータもたくさん出てくるでしょう。過度にデータに期待せず、またデータに踊らされずに、トライするという姿勢が一番大切だと考えています。

MZ:テレビの効果を正しく測り効果の最大化を実現するために、これから広告主サイドはきちんと目標を定め、そのクリアのためにGAPなどのデータを活用していく必要があるのだと感じました。本日はありがとうございました。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/30 13:00 https://markezine.jp/article/detail/24538

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