SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

RSSとアクセス解析の関係を読み解く(前編)

RSSプロキシサービスを使ってアクセス解析を行う

 ウェブページのアクセス解析では、サーバ(プロキシ、ゲートウェイサーバを含む)が記録するログを解析する方法の他に、JavaScriptを埋め込む方法が利用できました。しかしRSSのアクセス解析には、JavaScriptを使うことができません。

 RSSの中にJavaScriptを含めることは不可能ではありませんが、たとえJavaScriptを含めたとしても、セキュリティの問題などから、利用者がその内容をRSSリーダーで表示した際にそれが実行される可能性はきわめて低いからです。

 Google Analyticsなど、ASPによって提供されるJavaScriptを使ったアクセス解析は、サーバのログを集計する方法よりも手軽に解析ができる便利な方法でした。これが使えないとなると、アクセス解析の手間は一気にあがってしまう、と思うかもしれません。しかし、RSSではその代わりに、RSSプロキシと呼ばれるサービスを利用して、アクセス解析を行うことができます。

 プロキシ(proxy)とは「代理」という意味であり、RSSプロキシとは、RSSの配信を代行して行ってくれるサービスです。こうしたサービスは、自分のRSSを登録すると、そのプロキシサービスのサーバにアクセスする、新たなRSSのURLを発行してくれます。そして、RSSリーダーなどからのアクセスを、そちらのURLに振り向けてあげることで、自分のウェブサーバの代わりに、RSSの配信を行ってくれます。もちろん、RSSプロキシ自体は、あなたのサービスが提供する「オリジナルの」RSSにアクセスを行って、常に最新のRSSを配信できるようにしてくれます。

 このサービスのもっとも大きな特長はRSSへのアクセス負荷を軽減してくれるという点です。すでに述べたように、RSSへのアクセスは、一般的なブラウザではなく、RSSリーダーなどの、機械的なアクセスを行うクライアントによって行われることが多くなります。そして、こうしたクライアントからのアクセスは、その内容が実際に人間に「読まれたか」に関係なく、定期的に行われてしまうため、時にRSSを配信するサーバに大きな負荷をかけてしまう危険性があります。

 しかし、RSSプロキシサービスを利用すれば、オリジナルのRSSへのアクセスは、RSSプロキシサービスのものに限られ、種々のRSSリーダーからのアクセスは、RSSプロキシサービスが面倒を見てくれることになり、自分たちでその負荷に耐えうる回線やサーバを用意する必要はなくなるわけです。

RSSプロキシサービスはRSSへのアクセス負荷を軽減してくれる

 RSSプロキシサービスを利用すると、RSSリーダーからのアクセスは、そちらへのアクセスになるため、すべてのアクセスをRSSプロキシで知ることが可能になります。それを利用して、こうしたサービスでは、RSSのアクセス解析機能も提供してくれているケースがあるのです。これを利用すれば、RSSにどれくらいのアクセスがあるのかということを、自分たちで調べなくても、知ることができるようになります。

 たとえば、RSSプロキシサービスの草分け的存在であり、今年7月にGoogleに買収されたFeedBurnerも、RSSのアクセス解析を行ってくれるRSSプロキシサービスの一つです。FeedBurnerを利用すると、以下のように日々のRSSを解析して、それをグラフで表示してくれます。

FeedBurnerのRSSアクセス解析機能

 なお、RSSプロキシサービスを利用するためには、RSSリーダーのRSSへのアクセスを、プロキシサービスが発行したURLに向ける必要があります。そのためには、ウェブアプリケーションや、サーバ側でちょっとした設定が必要になるので注意してください。詳しいことは、各種RSSプロキシサービスのヘルプなどに書かれているので、参考にするとよいでしょう。

ここまでは「RSS自身へのアクセスを解析する方法」について解説してきました。しかし、そこでわかるのは、「RSSがどれくらい購読されているのか」という事だけで す。後編では、RSSに関する解析方法として、もう一つ重要なのは、そのRSSを経由して、どれくらいの人がアクセスしてくれているのか、ということを解説していきます。お楽しみに。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

水野 貴明 (ミズノタカアキ)

1973年東京生まれ。バイドゥ株式会社勤務の兼業テクニカルライター。学生のとき に父親が買ってきたパソコン(マイコン)と出会い、コンピュータとの付き合い を開始。大学は有機化学、大学院では分子生物学を学ぶも、就職で再びコンピュータの道を進むことになった。その後インターネットの普及により、様々な方に出会う機会を得て1999年より執筆活動を開始。 http://d.hatena.ne.jp/mizuno_takaaki/

 

著書
『アクセス解析でホームページの集客を極める本』 水野 貴明著、 ソーテック社、2005年3月 
『詳解RSS~RSSを利用したサービスの理論と実践』 水野 貴明著、ディー・アート、2005年8月

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2008/02/07 11:00 https://markezine.jp/article/detail/2465

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング