RSSプロキシサービスを使ってアクセス解析を行う
ウェブページのアクセス解析では、サーバ(プロキシ、ゲートウェイサーバを含む)が記録するログを解析する方法の他に、JavaScriptを埋め込む方法が利用できました。しかしRSSのアクセス解析には、JavaScriptを使うことができません。
RSSの中にJavaScriptを含めることは不可能ではありませんが、たとえJavaScriptを含めたとしても、セキュリティの問題などから、利用者がその内容をRSSリーダーで表示した際にそれが実行される可能性はきわめて低いからです。
Google Analyticsなど、ASPによって提供されるJavaScriptを使ったアクセス解析は、サーバのログを集計する方法よりも手軽に解析ができる便利な方法でした。これが使えないとなると、アクセス解析の手間は一気にあがってしまう、と思うかもしれません。しかし、RSSではその代わりに、RSSプロキシと呼ばれるサービスを利用して、アクセス解析を行うことができます。
プロキシ(proxy)とは「代理」という意味であり、RSSプロキシとは、RSSの配信を代行して行ってくれるサービスです。こうしたサービスは、自分のRSSを登録すると、そのプロキシサービスのサーバにアクセスする、新たなRSSのURLを発行してくれます。そして、RSSリーダーなどからのアクセスを、そちらのURLに振り向けてあげることで、自分のウェブサーバの代わりに、RSSの配信を行ってくれます。もちろん、RSSプロキシ自体は、あなたのサービスが提供する「オリジナルの」RSSにアクセスを行って、常に最新のRSSを配信できるようにしてくれます。
このサービスのもっとも大きな特長はRSSへのアクセス負荷を軽減してくれるという点です。すでに述べたように、RSSへのアクセスは、一般的なブラウザではなく、RSSリーダーなどの、機械的なアクセスを行うクライアントによって行われることが多くなります。そして、こうしたクライアントからのアクセスは、その内容が実際に人間に「読まれたか」に関係なく、定期的に行われてしまうため、時にRSSを配信するサーバに大きな負荷をかけてしまう危険性があります。
しかし、RSSプロキシサービスを利用すれば、オリジナルのRSSへのアクセスは、RSSプロキシサービスのものに限られ、種々のRSSリーダーからのアクセスは、RSSプロキシサービスが面倒を見てくれることになり、自分たちでその負荷に耐えうる回線やサーバを用意する必要はなくなるわけです。

RSSプロキシサービスを利用すると、RSSリーダーからのアクセスは、そちらへのアクセスになるため、すべてのアクセスをRSSプロキシで知ることが可能になります。それを利用して、こうしたサービスでは、RSSのアクセス解析機能も提供してくれているケースがあるのです。これを利用すれば、RSSにどれくらいのアクセスがあるのかということを、自分たちで調べなくても、知ることができるようになります。
たとえば、RSSプロキシサービスの草分け的存在であり、今年7月にGoogleに買収されたFeedBurnerも、RSSのアクセス解析を行ってくれるRSSプロキシサービスの一つです。FeedBurnerを利用すると、以下のように日々のRSSを解析して、それをグラフで表示してくれます。

なお、RSSプロキシサービスを利用するためには、RSSリーダーのRSSへのアクセスを、プロキシサービスが発行したURLに向ける必要があります。そのためには、ウェブアプリケーションや、サーバ側でちょっとした設定が必要になるので注意してください。詳しいことは、各種RSSプロキシサービスのヘルプなどに書かれているので、参考にするとよいでしょう。
ここまでは「RSS自身へのアクセスを解析する方法」について解説してきました。しかし、そこでわかるのは、「RSSがどれくらい購読されているのか」という事だけで す。後編では、RSSに関する解析方法として、もう一つ重要なのは、そのRSSを経由して、どれくらいの人がアクセスしてくれているのか、ということを解説していきます。お楽しみに。