YDNとスポンサードサーチで潜在~顕在ニーズをカバー
MZ:これらのアップデートによって、YDNでもきめ細やかな運用が可能になるのですね。では、スポンサードサーチの運用を中心に行っている広告主の視点からは、YDNとの併用はどのような可能性が魅力でしょうか?
齋藤:スポンサードサーチは、ニーズがはっきりと顕在化したときにユーザーとの接点を持てる広告ですが、ニーズが顕在化する前の潜在レベルでも人は検索しています。そうした潜在レベルに対してアプローチできるYDNは、強い味方になる機能だと思いますね。
たとえばユーザーが「リゾート地」と検索した場合、それがハワイのことなのかモルジブのことなのか、あるいはただ癒されたいだけで温泉でもいいのかまでは分からないので、このタイミングの検索に、スポンサードサーチを費用対効果をあわせながら出稿するのは難しいです。でも、YDNならイメージを広げて汎用性高くアプローチできます。
その結果、潜在ニーズに働きかけて、スポンサードサーチでクリックが見込めるまでニーズが顕在化する可能性もあると思います。まさに、理想的な補完関係ですね。
MZ:なるほど。先日Insight for Dに掲載されていた、購入検討と検索開始の関係性に関する記事でも、自動車を購入したユーザーが「購入を検討し始めた」と考えている時期より、関連キーワードを検索し始める時期はかなり前になっていました。
広告プラットフォームとしてプロダクトの併用を促進
矢吹:そうなんです。まさに、ユーザー本人が認識しているより前に、検索には潜在ニーズが表れているんですね。さらに細かく検索キーワードを見ていくと、たとえば購入直前だと「自動車ローン」関連を検索するなど、時間が経過してニーズが強くなるにつれて、求める情報が変遷していました(参考情報 )。
これらの心境を踏まえてYDNで適切にアプローチできると、時間軸に沿ってかなり早い段階からユーザーと接点を持つことができると思います。
MZ:まさに今回のアップデートは、そうしたきめ細かいアプローチの実現を可能にするものなのですね。スポンサードサーチとの相乗効果もますます見込めそうです。最後に、今後の展望をうかがえますか?
齋藤:前述のように、効果が見合わないキーワードをYDNで適用するなど、今まで以上にYDNとセットで考えて運用を最適化していけると思います。スポンサードサーチでも、たとえばキャンペーンごとだった「対象外キーワード」リストを共通して適用できるようにするなどの機能アップデートをしているので、よりYDNとあわせたキーワードの精査・保守を行いやすくなっています。
矢吹:今回の機能アップデートは、我々も以前から見込んでいましたが、同時に広告主や代理店の皆様からの要望も高かったんです。スポンサードサーチとYDNは併用のポテンシャルが高いため、このふたつをバランスよく組み合わせることで相乗効果を出すことが可能になります。小規模なトライアルでも効果は上がるので、ぜひ試していただきたいです。