興味・関心の強いユーザー層を検出してアプローチ
MZ:それが、YDNとスポンサードサーチの併用の効果なんですね。
矢吹:ええ。使う側のアイデア次第で、顕在化したニーズを高確率で捉えながら、少し前のニーズの掘り起こしやユーザーが気付いていない潜在ニーズにもアプローチできるんです。これは今に始まったことではなく、以前からこの相乗効果について広告主や代理店にお伝えし、併用をお勧めしてきました。
MZ:その上で、今回の機能アップデートがあると。先ほど、期間と回数を細かく指定できるという点をお話いただきましたが、詳しくうかがえますか?
矢吹:今回の機能アップデートは、大きく2点あります。先ほどの有効期間(リーセンシー)と検索回数(フリークエンシー)の細かい指定を可能にしたのが、ひとつ目の改善です。
以前の「過去30日」という括りでは、たしかに一度は興味を持って検索したとしても、今と比較するとその興味が移っていることは往々にしてありますよね。それに、30日前に一度検索したテーマと、先週1週間で3回も5回も検索したテーマでは、当然後者のほうがインテントが強い。こうしたインテントの強さをしっかり把握して、配信できるようにしたのです。
MZ:どのくらいのスパンで、回数を指定できるのですか?
矢吹:現状、有効期間は過去1日以内、3日以内、7日以内、14日以内、30日以内から選択可能になります。検索回数は検索回数を1回以上、2回以上、3回以上から選択可能になります。
リーセンシーとフリークエンシーを絞り込んで細かいターゲティングをすることによって、CTRなどが大きく改善できることは、社内のデータ分析で明らかになっています。だだし、絞り込んだ分リーチは小さくなり、露出量の低下につながる可能性があります。単に絞り込みをするだけではなく、リーセンシーとフリークエンシーの強弱を調整して、成果効率と成果数のバランスを取ることこそが、本機能の効果を最大化するポイントになってくると思います。
URL入力によるキーワード提案機能も実装
MZ:では、もうひとつのアップデートを教えてください。
矢吹:もうひとつは、URL入力によるキーワード提案機能の追加です。サーチターゲティングでは、仮にAというワードを検索したユーザーに、どういったワードを適合させるかを指定して広告を配信しますが、これをうまく選べるかどうかで効果が大きく変わります。そこで、誘導したいサイトのURLを入れると最適なキーワードを提案するツールを実装して、その提案を参考に選んでいただけるようにしました。
MZ:なるほど。そうすると先ほどお話いただいた、広告主側でオーディエンスを想定してストーリーを立てた上で関連キーワードを考える、という属人的な発想だけでなく、アルゴリズムによる提案も盛り込んでいけるのですね。