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商品の「便益」と「独自性」を明確化 西口氏が解説、実務で使えるブランディングの考え方【お薦めの書籍】

 現在、自社の商品・サービスのブランド価値を向上させるために、多くの企業がブランディングに投資を行っています。しかし、それらの施策のほとんどで「目的や事業にもたらすリターンが曖昧になっている」「意味のある投資や活動を行えていない」としたら━━。今回ご紹介するのは、P&Gやロート製薬、ロクシタンジャポンなどで多くの実績を残し、現在Strategy Partnersの代表取締役を務める西口一希氏が、“誰もが実務で使えるブランディング”の考え方を解説した書籍です。

ブランディングに対して生じている過剰な期待

 今回紹介する書籍は『ブランディングの誤解 P&Gでの失敗でたどり着いた本質』。著者はP&Gやロート製薬、ロクシタンジャポンなどで多くの実績を残し、現在Strategy Partnersの代表取締役を務める西口一希氏です。

ブランディングの誤解 P&Gでの失敗でたどり着いた本質
西口 一希氏(著)、日経BP 2,200円(税込)

 本書で西口氏は、現在多くの企業でブランディングに対して過剰な期待が生じていると指摘。その要因には、既に成功した企業事例を基にした「原因と結果の履き違え」があると言います。

 本書では、西口氏が存在を指摘するブランディングに対する誤解やそこにある罠を、事例とともに具体的に紹介。企業規模を問わず、実務で活用できる本質的なブランディングの考え方を解説しています。

顧客起点で「便益」と「独自性」を追求

 本書では前提条件から履き違えが正せるように、ブランディングの基礎から解説している点が印象的です。たとえば、正しいブランディングを行う上でスタートラインは次のように定めるべきだと西口氏は語ります。

自社の商品・サービスを支えている「便益」と「独自性」、そこに価値を見出す「顧客」を定義することです(p.55)

 便益や独自性を明確にしないことには、たとえ広告やプロモーションを行っても的外れになり、適切なブランディングにはならないことは明白でしょう。西口氏はそれだけでなく、価値を見出す「顧客」の定義も重要視します。顧客を明確に決めないままに、「企業が伝えたいことや売りたいポイントを便益や独自性と捉えてはいけない」と強く警告しているのです。

 商品・サービスの便益と独自性はあくまで顧客起点で追求し、それらが最大限に伝わるようコミュニケーションを設計する。これがブランディングを考える上で重要だと、誤解を取り払いながらわかりやすく伝えています。

 本書では他にも、ブランドエクイティに対する誤解や測定指標の誤解、リブランディングの誤解など、ブランディングにまつわる様々な誤解を紹介しつつ、本質的なブランディング施策を行うための考え方を詳しく解説しています。

 自社の商品・サービスのブランド価値を強化させたいとお考えの方や、ブランディング施策に取り組んだものの成果が出ていないとお悩みの方は手に取ってみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。新卒で人材派遣の会社にて営業職を経験し、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/31 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48198

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