1月18日に発表された個人情報保護法の改正案は、2007年6月に第20次国民生活審議会がまとめた「個人情報保護に関する取りまとめ(意見)」で指摘された4つのポイントを中心に基本方針を見直すもので、この改正案に対する意見・情報を2月18日まで行う。
まず注目されるのが、個人情報保護法に対する過剰反応への取り組み。現状では、プライバシー意識の高まりや個人情報を取り扱う上でのとまどいから、法の定め以上に個人情報の提供を控えたり、運用上作成可能な名簿の作成を取り止めたりするなど、いわゆる「過剰反応」が生じているという。国民生活審議会は、この点について法の具体的な内容の広報・啓発などによって、「過剰反応」対策をとることを求めていた。
今回の改正案では、こうした過剰反応の存在について明記し、積極的な広報・啓発活動に取り組むことを宣言し、国の行政機関、地方公共団体、独立行政法人などが保有する個人情報の取扱について、法律・条令の適切な解釈・運用を行うよう求めている。また、独立行政法人と国については、必要性が認められる場合は、個人情報の公表等は可能であり、情報提供の意義を踏まえた上で同法の適切な運用を図るという条文が追加されている。
今回の改正案ではそのほか、OECD、APEC、EUなどで進められている国際的な取り組みへの対応や、個人データの自主的な利用停止や委託処理の透明化などをプライバシーポリシーに明記している事業者の取り組みの評価・促進、また、市販名簿などはシュレッダー処理しなくても安全管理措置義務違反にはならないといった、安全管理の程度について明記している。
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