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脱ラストクリック偏重、Netflixに聞く「動画広告のインプレッションとビューアビリティーの真価」

新市場を開拓したいなら、従来型の手法でいいわけがない

 NetflixとTeadsが共通して持つ問題意識とは、動画広告の効果を最適に評価(解釈)できるかどうか、といえる。Netflixの場合、オリジナル(=既存にはない)コンテンツを訴求すること、つまり新市場を開拓することが広告の使命であり、従来の獲得型マーケティングの解釈では限界があると鴨下氏は語る。

 「Netflixのマーケティングチーム最大のミッションは、オリジナルコンテンツの素晴らしさを多くのみなさんに伝えること。そして会員になっていただくことです。手段を動画広告に限定していませんが、現在だと動画商材には動画を用いたアプローチが最適なので、動画広告を扱う機会が相対的に多いのは確かです」(鴨下氏)

Netflixサービスサイト <

 そこに基づきながら、Netflixが大切にするのは、未来を見越したスタンスだ。

 「今だけを捉えるならテレビCMは優位ですが、その優位な手段に頼ってばかりでは、時代の変化に対応できません。特に我々はデジタルマーケティングのプロフェッショナルを標榜し、実践しているチームです。本当にデジタルマーケティングをやり抜いたのか? という自問自答を常に繰り返しています」(鴨下氏)

ターゲット訴求せず高パフォーマンスを発揮

 その中で行き着いた一つに、Teadsのインリード広告があるといっていいだろう。2015年10月から始めたというNetflixのオリジナルコンテンツ訴求と、ブランド毀損の心配が小さいインリード広告との相性はいいはずだ。実際、鴨下氏から聞かれた、Teadsに感じる優位性については、Teadsならではのユニークネスを感じ取れるものだ。

 「我々が行う広告はターゲティングなどをプログラマティックに行うものと、そうでないものがあります。Teadsのインリード広告は後者ですね。緻密にターゲティングしている運用型と特にターゲティングしていないTeadsを比較すると、結果は両者がまったくひけを取らないパフォーマンスとなるケースも珍しくありません」(鴨下氏)

 Teadsのフォーマットの特徴として、単なるアウトストリーム型ではなく、あらかじめTeadsが広告主に最適な出稿先を用意できることがあげられるが、まさしくその確度の高さを証明したコメントだ。

 このようにインプレッションの価値を追求し、インハウスで効果測定を行っているNetflixへ聞きたいことがある。それは、出稿した広告のインプレッションを改善していくにはどうしたらいいか、だ。

 「なるべく汎用的に、様々な地域やシチュエーションでも通用する知見を貯めるようにしています。それが改善軸につながるからです。たとえば、30秒の動画広告を考えると、1つのタイトルだけで構成するのか。それとも、10秒ずつ3つに分割して3つのタイトルで構成したほうがいいのか。両者の仮説検証を行って、どちらの結果が優位になるかを見るようにしています。重視していることは、汎用性が高くかつ、ビジネスに大きなインパクトを与え得る仮説に絞り、統計的に意味のある検証を続けること。これにより、効率的にナレッジを蓄積できるのです」(鴨下氏)

★老舗時計ブランドTISSOTが語る「ユーザー視聴態度を見据えた動画広告の効果測定」はこちら

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この記事の著者

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/11/25 12:44 https://markezine.jp/article/detail/25412

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