「集客の自動化」施策に欠かせない、Trovitの連結子会社化
広告の自動運用化の動きにおいて、大きな節目となった出来事がある。それが同社による、グローバル展開を見据えたTrovit社のMAだ。アグリゲーションサイト「Trovit」を運営する彼らのシステム、ノウハウに魅力を感じインハウス化を進めいていくことになった。

「既に当時から、我々は集客の“自動化”という問題意識を持っていたので、SEOに強いTrovitのノウハウが魅力的でした。彼らは、LPを自動生成したり、入札のための独自アルゴリズムを作り出したり、運用型広告をなるべく無人化で行っていたからです。人力でやるものだと思っていた領域を無人化で実現していることに、強い衝撃を覚えたものです。買収を通じて、Trovitの開発思想を手に入れながら、後は特殊な国内の不動産事情を踏まえたローカルな自動運用システム開発に着手しました」(菅野氏)
そして次の大きなアクションが、2015年4月から本格化させた、自動入札ロジックのローカライズ開発である。
「最初に、弊社グループ内の大規模・少数アカウント向け(賃貸、分譲)で運用をスタートしました。大規模アカウントから行ったのは、物量が多い分、分析がしやすい点に加え、決めたら大胆に進めようという社風が追い風となって(笑)、一気にシフトチェンジしました」(菅野氏)
ここで言う入札ロジックについては、次の例えがわかりやすい。
「昨日100円で買えたキーワードがあったとして、それが今日になったら200円になるかもしれない。でも200円だと費用対効果が合わない。その場合、いくらで入札すれば許容CPA範囲内で最大のCV数を得られるかというロジックが自動で組める。ここまでを無人化で果たせるということです」(菅野氏)
子会社から順次フル自動化に対応
そして2016年に入り、広告の運用について「フル自動化パッケージ」へと着手する。10月からグループ内の2社のアカウントで、すでに運用を開始。ここで興味深いのは、自動入札ロジックについては、大規模・少数アカウントから始めたのに対して、フル自動化は小規模・多数アカウントから始めて、徐々に規模の大きいアカウントに適用するという導入プロセスだ。
「通常だと、賃貸マーケットなど大規模から行いそうですが、むしろ、子会社から行うとステークホルダーが社長とマネージャー、担当者に限られるので、調整コストが小さく済みます。つまり、小回りが効きやすい、意志決定の早いところから導入し、徐々に拡げる方針を採りました」(菅野氏)
まさに対応のまっただ中で、Yahoo!プロモーション広告のAPI提供が絡んでくる。