テーマをさらに深掘りし、コンテンツを追加
副島:「足りないテーマ」と「文脈のヒント」が浮き彫りになったら、コンテンツを作り直すわけですが、結果の通りにコンテンツを追加すれば検索順位は上がるものでしょうか。

田中:上がりはしました。しかし、検索結果の2ページ目ぐらいに表示されるようになると、止まってしまった。
そこで次の施策を打ちました。網羅したテーマ・トピックに“深さ”を出す作業ですね。競合のコンテンツを徹底的に調べ、ユーザーへのヒアリングも行って、「症状」や「治療法」をより深いレベルへ書き加えていきました。
具体的には「鼻水の状態と詳しい情報をもっと追加しよう」「子どもの蓄膿症に悩むユーザーに向けた内容も追加しよう」といったイメージです。もちろん情報の信頼性も担保しなければなりませんから、編集や校正は毎回、医師に監修してもらいました。
副島:検索エンジンは同質化した内容を見せたくないでしょうから、頭一つ抜けるには、正確な情報を提供するのはもちろん、「+αの情報」を入れることも大事だと考えます。Q&Aサイトやアンケート、生の声を調べつつ、情報を咀嚼して、ユーザーの知りたがっている形にアウトプットする。すると、よりユーザーの検索行動にフレンドリーなサイトになると思います。Googleの品質評価ガイドラインの一つ「E-A-T評価」でも、その重要性に触れられていますね。
内容の深みを出しながら「読みやすさ」を意識する
田中:実は+αの情報の重要性を感じつつ「ひとつのことを長く書くと読まれないのでは?」という疑問も持っていました。しかし、さまざまな方の意見から、いいものが長いぶんには、ユーザーが読む可能性は高い、と結論づけました。そこでコンテンツを追加する段階で「読みやすくすること」も意識しました。ここには、御社の知見も活用させていただきました。
副島:冗長な説明文をプロの編集者やライターに修正してもらったところ、流入キーワードの種類数が増え、流入数が上がったという事例が当社の実験で出ています。たとえばテーマとの関連性が薄い内容や、重複した説明を削って読みやすくする。ある種「日本語の品質を上げる」感じですね。
Googleはユーザーにとって意味のあるコンテンツを評価しますから、適切なコンテンツを、読みやすい文章で、ユーザーの知りたい順に解説していかないと、特にスマホ時代のSEOでは戦えなくなると想定しています。
田中:こうしてテーマを深掘りし、文章をブラッシュアップした結果、順位は3位まで上昇しました。でもここからしばらく変わらなかった。そこで、「ユーザーの知りたい順の解説」に関する実験をすることにしました。それがヒートマップを使ってコンテンツ構成を入れ替える作業です。
