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スマホ内にエンタメが溢れる今、DVDを購入してもらうために何をする? 『ゴーストバスターズ』の挑戦

「コンテンツ好き」なユーザー、延べ11万に接触

――これまで、スマートフォンやアプリを活用されたことはあるのでしょうか?

河野:ニュースアプリにバナー出稿をすることは度々ありますが、スマホゲームのアプリ内で告知して、アンケートも採るといった取り組みは初めてのことです。今回、スマホゲームを活用しようと思ったきっかけは、『ゴーストバスターズ』のターゲットと相性が良さそうだと考えたことです。

 本作品は80年代の映画を復活させた作品なので、もちろん往年のファンがご覧になると思います。一方で、『ゴーストバスターズ』のロゴやキャラクターのキャッチーさや、キャストを男女入れ替えたというユニークさが、コンテンツ好きといいますか、映画もゲームもアニメも漫画も、区別がなく楽みたい人と親和性があるのではないかと考えました。

 そのような人たちに情報を届けるにはスマホゲームが良さそうだ、と。もちろん、年齢や性別を問わずスマートフォンは非常に重要な媒体です。そのなかでも、ニュースアプリ等よりもゲームアプリのほうがよりマッチしていそうだ、という判断ですね。

――サブカル好きな若者とスマホゲームの相性の良さに着目をしたのですね。ですが、一口にスマホゲームといっても、様々あるかと思います。どのようなゲームを選んだのですか?

河野:ゲーム自体は、クロシードデジタルさんに適切なものを選んでいただきました。クロシードデジタルさんは、スマホゲームを開発・運営しているセガネットワークスさんと、コンテンツ制作に強いランサーズさんが作った会社なので、知見はそちらの方がお持ちですから。実際、リズムゲームなんかは女性が多かったり、RPGだと男性が多かったり、ゲームによって年齢層が異なったりするそうです。今回は20代から30代前半の男性を主に考えていたので、ユーザー層が合致する2種類のスマホゲームを選んでいただき、延べ数で約11万ユーザーへの接触を実現しました。

――今回の取り組みについて、期待する効果やKPIについて教えてください。

河野:アンケートの結果を見られる点が、一つありがたいですね。生の声が聞けますから。最終的なKPIを考えると、DVDの購入につなげることが重要です。ですから、今回の施策によるコンバージョンを計りたいですね。それは、これからの話で12月21日の商品発売を待って、結果を見ていくことになります。現時点でもインプレッション数等を定期的に見ていますが、それが実際にどこまで購買に結びついたかまで見ることができればと考えています。

2回のアンケートで回答率8割を維持、嫌がられていたら答えてはくれないはず

――アンケートでは、どういったことを聞いたのですか?

河野:キャンペーンページで作品を紹介した後にアンケートに答えていただく形式だったのですが、8月なら“劇場に足を運びたいと思いますか?”だったり、10月なら“ブルーレイ/DVDを購入または、レンタルして鑑賞したいと思いますか?”などを調べました。

 今挙げた2つの設問はどちらも作品に対する鑑賞意欲を尋ねるものですが、比較してみると8月より10月の方が1割ほど鑑賞したいという回答が増えていました。アンケート母数はほとんど変わっていないものの、8月時点で3割だったものが10月では約4割になっていたのです。鑑賞意欲が上がった背景には、様々なPRの効果があったとは思いますが、次から次へと作品が出てくるなかで、繰り返しリマインドをすることで、思い出してもらえることは非常に大事なことかと思います。

 また、映画公開時に広くマス向けのプロモーションはなされているので、DVDのプロモーション時には実売につながるように、対象とするターゲットにどれだけアプローチできるかが重要です。サブカル・コンテンツ好きな方々に向けて、ゲームをプレイしているという没入感の強いタイミングで、『ゴーストバスターズ』のDVDを告知することが、購買意欲にどこまで作用するのか非常に楽しみですね。

――ゲームプレイ中に映画という内容と関係ないトピックが出てくると、目にはつくと思います。ですが、ユーザーからしたら邪魔だと思われてしまうリスクもあるのではないでしょうか?

河野:個人的には、人ってそんなに急にネガティブな気持ちにならないと思っています。普通に映画の情報を出しても、右から左に流れていってしまうだけ。ギャップのなかで印象が高まることのメリットのほうが大きいのではないでしょうか。

 もちろん、ゲームを邪魔するようなタイミングで広告なんかを出せば体験を損なってしまうでしょう。ですが、今回はゲームを遊ぶなかで自然に『ゴーストバスターズ』の情報が入ってきて、アンケートに答えたら、よりゲームが有利に進められるようになる、というインセンティブを設計しました。

 実際に、これまでに2回アンケートを採っていますが回答率に大きく変動がなく、8割近くの方が回答してくださっているので私たちにとってもプレイヤーにとってもポジティブな結果になったのではないかと思います。

 ただし、どんな映画作品でもアプリで紹介していいかというと、そこは気を使うところだと思います。ゲーム内での登場方法が自然でも、たとえば戦争もののような重たいテーマの映画が出てきたら嫌じゃないですか(笑)。先程も触れたように『ゴーストバスターズ』の場合はゲームユーザーと親和性があったので通用しました。そのようなジャッジは作品ごとにすべきですね。

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ゲームユーザーは情報を濃く受け取ってくれる

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/12/05 13:00 https://markezine.jp/article/detail/25637

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