マルチデバイス時代には、Cookieを超えた計測方法が必要になる
続いて登壇したのは、Facebook JapanでMeasurementを担当する大志摩丈嗣氏。同氏は、マーケティングの段階を「認知」「態度変容」「行動変容」の3つに区分し、効果測定に関して語った。
大志摩氏はまず、スマートフォンをはじめとしたデジタルデバイスの世界的な増加について言及。1人が複数台所有することで、現在世界には人口より多くのデジタルデバイスがあると語り、2018年には、1人平均3台のデジタルデバイスを持つことになるとの調査結果も発表した。その中で鍵となるのが「個人の特定」だと語った大志摩氏は、従来のCookieベースでの追跡はデバイスを超えたアプローチに適さないとし、人ベースで高い精度を誇るFacebookこそが次世代のプラットフォームになると語った。
「Facebookは幸い多くの方の信頼を頂き、いろいろな情報が登録されています。この情報に基づき、スマホ、PC、タブレットなど、デバイスをまたいでも個人に結び付けることが可能です」(大志摩氏)
リード獲得広告、ターゲティング精度の高さなど。Facebookが持つ優位性
Facebookが保有するパーソナルな情報の多さは、広告そのものにも優位性を持たせる。その代表格となるのが、リード獲得広告だ。ユーザが商品に興味を持ち、申し込みなどを行おうとする際にはフォームへの入力が必要だが、リード獲得広告では、名前や電話番号などFacebook上にすでに登録がある項目は、システムがそれらの入力を肩代わりし、ユーザの負担を軽減する。
「特にスマホは、PCより入力性に劣る。およそ40%多く時間がかかるという統計もあります。リード獲得広告では、Facebook上に登録してある情報の入力が省け、必要最低限のインプットで済む点がメリットです」(大志摩氏)
また同氏は、調査会社ニールセンが提供しているDARという手法から、Facebookがどれだけ効果的に広告を届けることができるかについて言及。高いターゲティング精度を誇っている点を強調した。
「インプレッションが多ければ、CPAも安くて効果的だと思いがちですが、広告が不要な人たちばかりに届けているともいえます。Facebookはその精度が格段に高いことが、おわかりいただけるのではないでしょうか」(大志摩氏)
明日からでも始めて欲しい、動画広告とキャンバス広告
最後にFacebook Japan執行役員本部長の中村氏が再度登壇し、全体を統括した。
「これまでにお伝えしたように、モバイルファーストの時代がやってきました。モバイルがTVを超えることが予想されている中、モバイルという世界でいかにユーザーとコミュニケーションしていくかが、マーケターにとってキーとなるでしょう」(中村氏)
同氏は、Facebookがモバイルのマーケティングプラットフォームであることを再度強調。Facebookを活用する際、ファンやシェアの獲得といったソーシャルな値をKPIにするのではなく、認知獲得や好意度、購入意向の向上といった、ビジネスにおけるKPIにシフトして欲しいという。
また同氏は、Facebookで行えることは多く、中には準備期間が必要となるものもあると前置きした上で、認知と興味関心のステージにおける動画広告とキャンバス広告は、明日からでも始めてもらいたい、と語った。
なおFacebook Japanでは、自動車業界専門のサポートチームを結成し、モバイルに最適化したクリエイティブの作成や効果測定など、フルサポートを行っていくという。