Facebookの強みはターゲティング精度。業界平均63%を上回る95%
一口に「車の購入を希望している」といっても、コンパクトカーを探している20~30代の子育て世代、RV車を検討するアクティブ層、高級車に興味のある高所得者など、その属性はさまざまだ。中村氏はここでFacebookのターゲティング精度の高さについて言及。実名制を基本とし、多くのパーソナルな情報を持つFacebookであれば、それぞれの層に的確なメッセージを届けることができると語った。
「業界大手の平均で、ターゲティング精度はおよそ63%と言われています。それに対し、Facebookは95%にも達します」(中村氏)
「半数がTVを持っていない」 モバイルファースト層の現実
今回唯一のゲスト登壇者となった、調査会社カンター・ジャパン クライアント・コンサルティング ディレクターの内田氏からは、同社が18歳から49歳の車保有者に対して行った調査結果を基に、多くの興味深いデータが披露された。同氏はまず、自動車の購入希望者が検討する車種の数を紹介。ネットが生活に密着した現代では、顧客は検索や口コミサイトなどで情報を集めているため、その数がわずか約2.7台であることを指摘し、「トップ3に入らなければ候補にすらならない」ことを強調した。
続いて内田氏は、モバイルファースト層の半数がTVを保有していない、という調査結果を発表。すべてのメディアの中でスマホが占める使用時間割合も66%に達し、その数はTVやPCの5倍以上に及ぶという。
「スマートフォン利用者について、一時期は『TVを見ながらスマホを見る』などと言われましたが、すでに『スマホだけ見ている』状態になっていることが伺えます」(内田氏)
シボレー、キャデラックなど。本国アメリカでの活用事例
今回のセミナーには、Facebook本国のアメリカより、Facebook Client PartnerのBrandon Volas氏とFacebook Creative LeadのChiwei Lee氏の2名が来日。近年のガソリン価格の値下がりも手伝って自動車業界が非常に活況であることに言及しつつ、同業界のFacebook活用事例を紹介した。
まず例示されたのは、シボレーのマリブのプロモーション。今年1月にFacebookに登場した5種類のリアクションボタン(「うけるね」「悲しいね」など)の登場に合わせ、「Love(日本では『超いいね!』)」ボタンとのコラボキャンペーンとして企画されたもので、結果的に1億4,000万人へのリーチと9,000万回の動画再生という成功を収めたとのこと。
また、ゼネラルモーターズが展開する高級車ブランドのキャデラックは、カリフォルニア州のペブルビーチで華々しく行われた同社のコンセプトカー発表の模様を、Facebookのライブ配信機能を利用して世界各地に届けた。他にも、元テスラモーターズのエンジニアらが創設した、EVスタートアップFaraday Futureが利用した360動画などが紹介され、来年デトロイトで行われる予定のモーターショーでは、Facebookのライブ配信機能が活用されることなどが宣言された。