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注目マーケティングトピックス2025

TikTok、20億ドル投資で安全対策を強化 トラスト&セーフティ統括責任者が語る姿勢と新機能

 ショートムービープラットフォームのTikTokは7月30日、信頼性と安全性を高めるための新機能を複数発表した。これに合わせメディア向け説明会も開催され、TikTokのグローバル・オペレーション&トラスト&セーフティ統括責任者であるアダム・プレッサー(Adam Presser)氏が登壇。同氏は、年間20億ドルを投じたという安全対策の最新の取り組みとして、クリエイターの活動を強力に支援する新機能や、保護者向けのペアレンタルコントロール強化などを紹介した。一連のアップデートは、ユーザー体験の向上のみならず、ブランドセーフティやインフルエンサーマーケティングの質的向上に直結するものであり、企業のマーケティング活動にも大きな影響を与えそうだ。

「年間20億ドル」が示す本気度。信頼性・安全性対策への姿勢

 TikTokがプラットフォームの信頼性と安全性という課題に、かつてない規模で向き合っている。プレッサー氏によると、TikTokは今年、信頼性・安全性対策のために年間20億ドル(約3,000億円)もの巨額の予算を投じたという。グローバルで数千人規模の専門チームがこのミッションに従事しており、「信頼性・安全性は我々TikTokにとって最優先の課題。会社のマネジメントの日頃のミーティングにおいても、常に念頭に置いている」とプレッサー氏はその姿勢を強調する。

 この投資を支えるのが、テクノロジーと人の手による精緻なモデレーション体制だ。特にAIが積極的に活用されており、現在コミュニティガイドライン違反で削除されているコンテンツの85%以上が自動的に検出され、そのうち90%以上がユーザーに閲覧される前に削除されているという。

 プレッサー氏は「10億人以上のユーザーが毎日何億もの投稿を行う中でこの数値を達成していることは、長年の投資と専門チームの努力の賜物です」と話す。そして「人は安心できると心を開き、そして創造性を発揮し自分らしくいられます。しかしこれは自然に生まれるものではありません」と続け、安全な環境構築への継続的な取り組みに注力していく姿勢を示した。

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TikTok グローバル・オペレーション&トラスト&セーフティ統括責任者 アダム・プレッサー(Adam Presser)氏

クリエイター向け新機能を多数発表

 優れたコンテンツは優れたクリエイターから生まれる。この考えのもと、TikTokはクリエイターが安心して創造性を発揮できるための新機能を複数導入する。

 今回発表された「クリエイターケアモード」は、不快なコメントをワンクリックでフィルタリングできる機能だ。特筆すべきは、単なるキーワードフィルターではなく、「各クリエイターの通報や削除の傾向をAIが学び、それに応じてフィルターの精度を調整します」とプレッサー氏が説明するように、個々のクリエイターに最適化されたパーソナライズ機能である点だ。これにより、クリエイターはより快適なコミュニティを醸成できる。

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TikTok LIVE向けのミュート機能も強化され、ガイドラインに違反しているキーワードだけでなく、各クリエイターが事前に登録した特定キーワードや絵文字などの表示を制限できるようになった(クリックすると拡大します)

 また、投稿前にコンテンツがTikTokのガイドラインに違反していないかを確認できる「コンテンツの簡易チェック」機能も発表された。ガイドラインに違反したコンテンツは「おすすめ」フィードに表示されないため、クリエイターは同機能を活用することで、自身の投稿が「おすすめ」フィードに表示されない可能性がないかを事前に確認し、修正することが可能になる。プレッサー氏によると、この機能はグローバルでTikTok Shopの出品者向けに先行導入されており、その際には「低品質な投稿が27%も減少した」という。

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コンテンツの簡易チェック機能(クリックすると拡大します)

 さらに、対象フォロワーと直接交流できる「クリエイターチャットルーム」や、DM管理を効率化する「クリエイター用メッセージ受信箱」も導入。プレッサー氏は「クリエイターが安全にサポートされていると感じれば、創造性は大きく花開く」と語る。一連のツールは、クリエイターとファンの関係を深化させ、企業とクリエイターの連携をより円滑で質の高いものへと導くことが期待されている。

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クリエイターチャットルーム(クリックすると拡大します)

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「AI生成コンテンツ」にどう対処するか? TikTokの先進的アプローチ

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/08/01 09:30 https://markezine.jp/article/detail/49623

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