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転換期におけるデジタルマーケティング(AD)

ゲームのルールが変わる中、生き残るカギは“ユーザープロファイルデータ”の活用にあり

マーケティング産業にもロボットを

押久保:マーケターにとっては前途多難な未来が待っているようですね。解決策はあるのでしょうか?

岩田:ロボットによって活路が拓けるのではないかと考えています。現在、自動車、医療、運送、介護、農業、サービスなど、様々な産業でロボットが開発・導入されています。これらの産業に続いて、マーケティング産業でもロボットの開発に力を入れていかないといけません。

押久保:どのようなロボットを想定していますか?

岩田:ロボットには、センサ、知能/制御、駆動という三つの要素があります。

 センサでデータを収集し、蓄積したビッグデータを知能・制御を司るAIで解析して、アルゴリズムに基づき自動で駆動する。これらの機能のうち、どれ一つ欠けてもロボットとは言えません。その中でもマーケティング向けのロボットとして、最も重要なのはセンサ、つまりはデータの収集になるでしょう。

押久保:どんなデータの収集が重要になるのでしょうか?

岩田:データであれば、なんでもいいというわけではありません。今後のマーケティングに欠かせないのは、単なるデータではなくて、ユーザープロファイルのデータつまり、「広告接触・自然検索・サイト来訪」といった行動履歴(トラッキングデータ)と、「年代・性別・地域」といったデモグラフィック情報を組み合わせることが不可欠なのです。

ニーズ多様化に対応するため、重要度を増すユーザープロファイル

押久保:ユーザープロファイルが特に重要な理由を、もう少し説明していただけますか?

岩田:釣りに例えて説明します。従来のマーケティング手法では、海のどこに魚がいるかわからないので、広い場所にえさを大量にまくことで魚に寄ってきてもらっていました。

 しかし、魚の数が少なくなり、さらに魚のえさの好みが多様化すると、単にえさを投げただけではなかなか食いついてくれなくなります。そうなっても、魚の種類(デモグラフィック情報)ごとに居場所と好み(行動履歴)がわかっていれば、魚のいる場所(メディア)にこちらから出向いて、その魚が好きなえさ(広告)を投げれば簡単に釣れるようになるはずです。

 ユーザープロファイルが手に入れば、それと同じことを人間の世界で実行できます。広い場所にえさを大量にまく従来のマーケティング手法を用いる限り、広告内容に既に強い関心のあるターゲットを刈り取ることしかできません。市場規模が縮小することを考えると、これまで食いついてくれなかった消費者のニーズを喚起することも必要になるでしょうから、潜在的なターゲットがいる場所(メディア)を狙って、こちらから積極的にメッセージを届けていくことも重要になるでしょう。

 そこで必要になるのがユーザープロファイルです。たとえば、あるユーザーのデモグラフィック情報と行動履歴を結び付ければ、そのユーザーがどんなメディアを利用しているか、どのメディアで自社広告によく反応してくれたか、といった相性がわかります。そうして将来顧客になり得るユーザーに訴求できるメディアを、より正確に選定できるようになるわけです。

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マーケティングロボットの将来像

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

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高山 透(コウヤマ トオル)

フリーカメラマン。雑誌の撮影などを主にしています。最近では、webの撮影も多くなってきました。日々の生活は、朝タブレット端末をながめながらコーヒーを飲み、のんびり1日が始まります。 休みの日は、新宿御苑に行ったり、子供と遊んで過ごしています。webサイト

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辻村 祐揮(ツジムラ ユウキ)

 1988年生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業後、フリーランスのライター/エディターとして生計を立てることを志す。現在は主に製造業関連のニュース記事作成を請け負っている。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/19 11:26 https://markezine.jp/article/detail/25701

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