日本企業が達していない、カスタマーエクスペリエンスの境地
サイトコアでは、先述の3つの課題が解消できているかどうかを確認するために、以下のカスタマーエクスペリエンスモデルを推奨している。この図は、Webサイトの段階が、左から右へいくほど成熟していることを表している。
Webサイトを開設しているだけというところからスタートし、新たなチャネルを考え、コンテンツを追加するといったことを積み重ねて、最終的には生涯顧客の獲得を行っていけるサイトへと進化するのだ。
「多くの日本企業はもちろん、世界を見回してもほとんどの企業は、まだ右側の段階には到達していませんが、このような段階を踏んでいけば達成できるという指標になります」(堀内氏)
では、エンゲージ、ひいては生涯顧客の獲得といった最終フェーズまでサイトコアのツールを活用できている海外事例を二つ紹介しよう。
一つ目は、シンガポールのエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ。シアターやコンサートホールを擁し、音楽や演劇など、様々なエンターテインメントを提供する施設だ。2015年、サイトリニューアル後からパーソナライズしたコンテンツ表示を行い、セグメンテーションしたメール配信も行っている。
「例えば、ユーザーがサイトアクセス時に音楽のページを閲覧した場合、次回サイトを訪問した際には最初から音楽のおすすめが表示されるようになっています。会員登録後のメールも、匿名状態の頃のアクセス状況と登録情報を掛け合わせたメールをお送りしています」(堀内氏)
結果、チケットの売上はもちろん、ネットプロモーションスコアや、顧客満足度もアップし、リピーターが増えたという。
訪問回数でコンテンツを出し分け
二つ目の事例は、トロントにあるビジネススクール、Rotman School of Management。同スクールのニーズは、MBAを取得する生徒を増やしたいということだ。サイトコアの製品を以前から導入しており、分析を行っていった結果、訪問回数と地域によって、求める情報が違うことがわかった。
そこで、アクセスしたユーザーの訪問回数と地域、企業のIPアドレスをもとに提供する情報を変え、コンテクストマーケティングを行うことにした。
「例えば、1回目の訪問では、“自分は本当にこの大学に入れるのか、授業料はいくら必要か”を知りたいニーズが大きかったので、その情報をトップに持ってきました。2回目の訪問、数あるMBAスクールの中で、なぜこの学校が良いのか、というアピールをします。3回目では、具体的な科目や教授の紹介をし、4回目になると、申し込みのボタンを見えやすい位置に表示します」(堀内氏)
また、インドや中国など、アクセスのある国によってコンテンツを出し分けて、親近感を演出。企業のIPアドレスに関しては、その企業の社員で、過去に同スクールでMBAを取得した人を写真付きで紹介している。
「アクセスした人が知っている同僚かもしれないですし、あるいは会社の経営・マネジメント層であれば、ここに通ってみたいという気持ちを後押しできると考えられます」(堀内氏)
他にも、見込み客には政府関係者の人も多いため、そういったIPアドレスの場合は政府機関と共同で行っている研究を出すといった、情報のパーソナライズ化を進めた結果、入学者は増えているという。
「A/Bテストも自動で高頻度に行っています。最初の設計時に条件を決めておけば、結果の良い情報を随時選び、精度の高いキャンペーンを効率よく行えます」(堀内氏)
本記事に載せきれない、カスタマーエクスペリエンス向上の秘訣を資料で
本記事では、Webコンテンツ管理を軸に、カスタマーエクスペリエンスをいかに向上させるかについて解説していますが、今回サイトコアは、記事と併せて読むことで効果的なホワイトペーパーも提供します。
資料内では、Webコンテンツ管理プラットフォームに求められる機能を考察するとともに、カスタマーエクスペリエンスに必要な要素を解説しております。詳細はこちら