日本における「おすそ分け文化」の実態
そもそも、現在どれくらいの人がおすそ分けを実施しているのでしょうか? 調査の結果、「おすそ分けを経験したことがある」と回答した人は全体の約4割で、2.5人に1人がおすそ分けを経験していることが分かりました。この、おすそ分けしている4割のうち3人に1人は、月に1回以上おすそ分けをし、かつ日常的におすそ分けをする相手が3人以上と、高頻度、広範囲であることがわかりました(本記事ではこの人達を「おすそ分けニスト」と呼びます)。

この「おすそ分けニスト」はいったい誰で、どこにいるのでしょうか。調査からは、主に30代〜50代の既婚女性で、中学生以下の子供がいることがわかります。居住地は関東、近畿、中部の順に多く、県別で比較すると東京が最も多いようです。

おすそ分けをするシーンとは?
続けて、おすそ分け行動について詳しくみていきましょう。おすそ分けニストの約半数が、月に数回以上おすそ分けを実施し、また日常的におすそ分けをする相手が4人以上いると回答しています。


頻度と人数を掛け合わせてみると、おすそ分け頻度が高い人ほど、おすそ分け対象の人数が増えています。つまり、高頻度でおすそ分けをする人ほど、1対1ではなく、グループなど複数人に対しおすそ分けを行う習慣があると推察できます。実際に、おすそ分けニストに対し、おすそ分けを行うシーンを聞いたところ、「友人同士の集まり」が最も多く、2位が「実家訪問時」、「隣人訪問時」と「職場」が同率3位となりました。

さらに、おすそ分けニストの回答をみると、上位4つの項目全てにおいて約半数を占めており、おすそ分けを経験した人の平均値と比較しても差が大きいことがわかります。この結果から、おすそ分けニストは、「友人」「家族」「職場」「地域」など、複数の狭域コミュニティで積極的におすそ分けをしていると考えられます。ちなみに、おすそ分けが行われているシーン1位の「友達同士の集まり」について、おすそ分けニストの約6割が月1回以上参加していると回答しました。さらに、約半数が月に1回以上主催しており、いずれもおすそ分け経験者の平均値と比較し、約2倍の差がみられました。
