なぜ人はおすそ分けをするのか。
彼女たちはなぜ、おすそ分けをするのでしょうか? おすそ分けニストの回答結果がこちらです。

最も多かった回答は「自分だけでは余らせてしまう」(66%)であるものの、おすそ分けニストの62%は「ちょっとした御礼としておすそ分けをしている」と回答しています。また、「自分が良いと思うものを共有したい」「相手が気に入ると思ったから」と回答した割合も、おすそ分けニストが約半数、おすそ分け経験者が約4割で、能動的なおすそ分けを実施している事がわかります。
これらの結果から、おすそ分けの品を渡す際には、商品を選んだ理由(自分が良いと思う理由、相手にオススメしたい理由)や、自身の感想も一緒に伝えていると考えられます。
「おすそ分けニスト」の正体
友人同士の集まりなど狭域コミュニティにおいて、ちょっとした御礼として、自分がオススメしたいものを日常的におすそ分けする、おすそ分けニスト。他には特性があるのでしょうか? もう少し細かくみていきましょう。
おすそ分けニストが「興味がある情報を初めて見た後にとる行動」を見てみると、最も多かった行動は「商品情報を調べる」(43%)で、次に「商品をインターネットで購入する」(40%)でした。3位以下には、「実際に店舗へ見に行く」「友人・知人に直接会った時に詳しい情報を聞いてみる」などがあげられ、興味がある商品に対して意欲的・積極的な姿勢が伺えます。

最も興味深い点が、興味がある情報を話題にする方法です。知人や友人に直接会ったり、電話やメールをしたりする際に話題にする割合は平均値と比較し高いものの、ブログ、Facebook、Twitterなどを活用している割合は、アンケート回答者の1割にも満たない結果となりました。
一方、興味がある商品の情報や、口コミについてはインターネットで調べていることから、情報取得はインターネットで行うものの、情報発信はオンラインでは行わず、友人、家族、職場など狭域コミュニティにおいて直接行っていることがわかりました。
興味がある情報を見た後の行動に加え、情報収集力や敏感度を調査したところ、新商品をいち早く試すなど、あらゆるジャンルの情報を積極的に取得している事がわかりました。また、おすそ分けする頻度が高い分、自身もおすそ分けを受ける頻度が高く、1か月に触れる情報量は多いと考えられます。

また注目したいのが、「友人から商品購入のアドバイスを求められる」と回答したおすそ分けニストが約半数存在し、おすそ分け経験者と比較すると1.6倍に上ることです。おすそ分けニストは、接触する情報の多さや、商品を試してきた経験から商品やサービスに対し、独自の評価基準を持っていると考えられます。
その評価基準を踏まえ、日ごろから気になった情報や商品を自身の感想と共に話題にしているため、時に買い物のアドバイスを求められるほど周囲から「情報に詳しい人」として認識されていると推察できます。おすそ分けニストは、いわば狭域コミュニティ限定のインフルエンサーといえるでしょう。
