マーケティングにおける「おすそ分け」の価値とは?
おすそ分けを「体験の伴う口コミ」と定義すると、その影響力はどれほどのものなのでしょうか? おすそ分けを受けた人の行動を見ていくと、約20%の人がおすそ分けされた商品を購入した経験があると回答しています。また購入まで至らないものの、「商品の購入を検討」「商品について調べる」と回答した割合もそれぞれ20%ずつ存在しており、購入意欲の向上に貢献していることがわかります。

その理由について、おすそ分けの仕組みを振り返りながら考えてみましょう。
「おすそ分けを受け取った後の行動」を示すグラフをみると、おすそ分けを受け取った人の約30%が、「おすそ分けをしてくれた人へ感想を伝える」と回答しています。おすそ分けは、少なくとも顔見知りの相手から受け取るわけですから、おすそ分けを受け取った人は、おすそ分けをしてくれた人に再会した際にお礼の気持ちや、受け取った商品について話す機会があると考えられます。そのため、感想を伝える前提で意識して(真剣に)商品を体験していると推察されます。
これらの事から、おすそ分け=体験の伴う口コミは、実購買につながりやすく、深い消費体験から商品評価の精度も高いことがあげられ、トライアルマーケティングの観点でも注目すべき消費行動といえるでしょう。

無視できない! 「狭域コミュニティのインフルエンサー」
複数の狭域コミュニティに属している彼女たち「おすそ分けニスト」は、インターネットで情報をいち早く取得し、リアルの場において、おすそ分けという手法で頻繁に情報拡散していると考えられます。冒頭でも触れましたが、インフルエンサー施策において、興味喚起だけで終わらせず、実購買、ターゲットの態度変容などコンバージョン率をあげるためには、インフルエンサーの一次情報の信頼性を強化する、ユーザーの使用感などの2次情報(口コミ)の拡散もあわせてみていく必要があります。
デジタルマーケティングが中心となり、オンラインの拡散に目が行きがちですが、リアルの場でユーザーが直接商品に触れ、拡散する手法として、おすそ分けニストへのアプローチも検討してみてはいかがでしょうか。
おすそ分けニストにリーチする方法としては、たとえば、プレゼントキャンペーンを企画して一世帯の消費量よりも多めに商品を提供したり、サンプリングサービスを利用したりといったことが考えられます(手前味噌ですが、私たちもサンプル百貨店というサービスを提供しています。よかったら覗いてみてください)。