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日本のネット文化を世界へ輸出 No.1 音楽コラボアプリ「nana」の狙い


「嬉しくて、じゃがりこ~!」新たな声のコミュニケーションに進化

菅野:今サービスとして大きく成長して、nanaのユーザーの半数が女子中高生ということですよね。実際にどんなものが流行っているんですか?

文原:ジャンルとしてはボーカロイド楽曲、アニソン楽曲が歌われることが多いですね。おそらくニコニコ動画さんのボカロや二次創作のような文化の延長線にあるんだろうなと、そういう文化があったからこそnanaに自然に入っていけるところがあるんだろうと思います。

 それから元々は音楽を投稿するサービスなんですが、90秒の音源を自由に重ね撮りして投稿できるので、新しい「声のコミュニケーション」が生まれています。たとえばということで、事例をご紹介しますね。

♪「演技力じゃがりこ面接」


文原:意味わからないですよね(笑)。「じゃがりこ」という語感の良さを使って、いろんな感情を表現していくと。こういうキャッチーでわかりやすいものが遊びとして中で広がっていっています。

菅野:おもしろい(笑)。ただ音楽ということではなくて、音を使ったいろんな遊びが生まれていると。

文原:はい。それからですね、ユーザーが300万人と増えてくると中からアーティストの方々もどんどん出てきていまして、たとえば廣野ノブユキというユーザーさんの曲なんですが、

♪「Rainy/作詞・作曲 廣野ノブユキ」


 これは彼のオリジナル曲なんですね。これを3000人以上が歌って、累計100万再生になっている。フォロアーもたくさんついて、彼が作る新しいオリジナル楽曲もすぐに100万再生になりますし、ある意味デビューですね、CD化されて、カラオケでも配信されています。もう一人紹介しますと、おっとっととっとってって、と言いにくいんですけど聞いてもらえれば…(笑)

♪「おっとっととっとってっていっとったとになんでとっとってくれんかったとっていっとーと/作詞・作曲 Okayu」


文原:博多弁ですね、おっとっとをとっとって、置いといてって言ったのになんで置いておいてくれなかったの、って言っている(笑)。とにかくキャッチーなんですよね、メロディもシンプルで繰り返すだけ。これもうちの中で数千人がどんどんコラボして拡散されて、彼もCDを 発売しています。

 nanaの場合はさらに、単純にオリジナル曲を作りました、100万再生いきました、だけではなくて、歌い紡いで拡散している人たちがいるんですね。リーチされた側も聞いただけではなくて自分も参加している。なので、もとのコンテンツに対して非常に愛着を持つということが特徴としてあります。

菅野:なるほど。では、いろんな興味深い現象がある中で、文原さんがnanaのユーザーをみて感動した瞬間はどんな時でしょう?

文原:それは実は特別なことではなくて、むしろ、今の10代の子たちの日常になれてるんだって見えた瞬間が嬉しいです。「きょう帰ったらこれアップしよう」とか「これとったら何歌おう、楽しみだなあ」と言ってるのをTwitterで見ると、歌うことがすごく好きだけれども基本的には一人で家でただ歌っていた自分と重なるというか、そこにnanaがあって日常になれてるってすごくいいなあと。

菅野:若かりし文原さんが部屋で大声でスティービー・ワンダーを歌っていたのが、今はnanaがあることによって誰かと一緒に歌えるということですね(笑)。

文原:そうそう、あの頃の俺、救われてるなーと(笑)。

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この記事の著者

ファイブ株式会社 菅野 圭介(カンノ ケイスケ)

2008年にGoogle Japanに新卒一期として入社。買収後のAdMobの日本オペレーションの立ち上げ、YouTube広告製品等のプロダクトマーケティング・収益化・ビデオクリエイティブエコシステムの拡大を担当。2014年にFIVEを設立。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/05/04 00:12 https://markezine.jp/article/detail/26157

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