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新・女性のココロを動かすマーケティング術

“タラレバ”ブームに潜む、「ハッシュタグ時代」のキーワード戦略~ムーヴメントを生みだす5つの法則とは

女性に刺さるハッシュタグ時代のキーワード設計、5つの法則

 ハッシュタグ時代において効果的に女性のアテンションを獲得し、かつ、オーガニックに使われ拡散していくキーワードを設計するためには、押さえておくべき5つの法則があります。

1.既視感

 人は「まったく見たことがない言葉」には反応しづらいものです。そのため新語・造語といっても「どこかで見たことあるかも」「何かに似ている」と感じさせるようなキーワードを設計することが必要です。「○○女子」「○活」の類で新たなキーワードが生まれ続ける背景には、こうした要因があるのです。

2.意外性

 「餃子女子」のように「女性なのに餃子が好き」といった意外性はアテンションを引くためのキーワード設計における鉄板要素です。一方でハッシュタグ時代においては、「e朝」のように「良い」を「e」に変換したり、「ふわもこ部」のように本来人間の行動ではないものに「部」を付けたりといった意外性を演出することもトレンドになっています。

3.語感の良さ

 キーワードは短ければ短いほど、覚えやすく印象に残りやすいものです。またハッシュタグで使われることも意識すると、なおさら端的な表現が求められます。さらには感覚的な語感・語呂の良さも重要です。そのための最適な文字数はずばり「4文字」。TVドラマなら「イツコイ(いつ恋)」「ニゲハジ(逃げ恥)」、グループ名なら「ミスチル」「セカオワ」といったように、略称を作る際、4文字という長さは、語感・語呂の良さを生み出す可能性が最も高い文字数だといえます。

4.自称しやすさ

 特にハッシュタグ時代においては、そのキーワードが女性にとって名乗りやすい=「自称」しやすいことが重要です。たとえば「お姫様」と呼ばれたい願望はほとんどの女性に共通ではあるものの、いざ自称するとなるとかなりハードルの高いキーワードとなります。自称するのに気恥ずかしくない程度の憧れ感という、絶妙なバランス感覚が必要とされるのです。

5.コミュニティ感

 Instagramで常に人気となるハッシュタグが「○○部」。「個」ではなく「コミュニティ」を指すキーワードにすることで、「私もやってみよう」という参加意識と、「誰かと繋がっていたい」という帰属意識を持たせることができ、かつ、前述した「自称」する気恥ずかしさのハードルを下げることにも繋がるのです。

「東京タラレバ娘」にもキーワードが大きく影響

 最近TVドラマ化もされ、女性の間で一大ブームとなっている『東京タラレバ娘』(東村アキコ/講談社)。実はこの「タラレバ娘」というタイトルをキーワードとして捉えると、先ほどの5つの法則を見事に満たしているのです。

既視感:「たら・れば」という従来あった言葉を活用

意外性:「たら・れば」に「娘」という言葉を掛け合わせ

語感の良さ:略称の「タラレバ」は4文字

自称しやすさ:美人ではあるものの恋愛下手という設定の親近感

コミュニティ感:「個」ではなく、3人の「コミュニティ」

 実際にInstagramでハッシュタグ検索をすると「#タラレバ娘」が17,573件、「#タラレバ」が18,366件も投稿されており(2017年3月10日時点)、主に女性が3人で居酒屋にいる様子にこのハッシュタグが付けられています。

 このように、印象的な「キーワード」は、単に見た人の目を引きつけるだけでなく、広まり、利用され、自走していくことでムーヴメントを生み、女性たちの態度変容を引き起こします。たった一言の「キーワード」には、限りなく大きな可能性が秘められているのです。

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この記事の著者

橋本 菜々子(ハシモト ナナコ)

 トレンダーズ株式会社 インフルエンサーマーケティング局ゼネラルマネージャー。大手食品メーカー、化粧品メーカーを中心に、トレンドを生み出すPRプランニングを数多く手がける。2016年からインフルエンサーマーケティング事業の統括責任者として、女性インサイトから購買意欲を掻き立てるSNSマーケティングの企画立案に注力し...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/03/15 10:00 https://markezine.jp/article/detail/26183

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