成果の出るインフルエンサーを選ぶには
では、インフルエンサーマーケティングを行うとき、マーケターが抱えがちな課題はどういったことがあるのだろうか。國分氏は、“誰に”依頼するかが難しいと述べた。

「インフルエンサーマーケティングの黎明期には、“この人に紹介してもらったら売れた”、“あの人に類似した人ならもっと売れるはず”といった形で選んでいました。今は沢山のインフルエンサーがいて、彼らの興味関心も多種多様になっており、またその先のファンの興味関心も把握しなければなりません。そこがわからないというのが、クライアント様の悩みです」(國分氏)
また、運用型広告などに比べると効果測定が難しい点も課題となっているという。平良氏は、事業を始めたタイミングから、インフルエンサーマーケティングの効果の見える化を目指し取り組んできた。
「今回のリリースもそうですが、iCON Suiteでは機能を充実させて、どのインフルエンサーをどう起用すれば効果が出るのかが簡単に検索、閲覧できることを目指しています」(平良氏)
さらに、インフルエンサーマーケティングを、デジタルマーケティング全体の中でどう位置づけるか、KPIなどを含めてスキームを作ることが大切だと述べた。
「マーケティング施策としてインフルエンサーマーケティングのみを行うクライアント様は非常に少ない。もちろん、インフルエンサーマーケティング単体での効果や購買に対する相関性なども確認していますが、基本的にはマーケティング全体の中で、インフルエンサーマーケティングの役割を決めて進めるべきだと考えています」(平良氏)
誰を起用すべきか、データでわかるiCON Suite
では、同社が提供するiCON Suiteの概要を紹介しよう。同サービスは、YouTube、Twitter、Instagramの3つのプラットフォームにおいて、それぞれ活躍するインフルエンサーを、任意のキーワード・興味関心対象・フォロワー数・デモグラフィック情報、あるいは「フォロワーのデモグラフィック情報」をもとに検索・閲覧できるサービスだ。さらに、いいね!の数やコメント数、リツイート数など、直近1ヵ月分のエンゲージメント数に関するランキングを出すことができる。

また、デモグラフィック情報は、画像解析やテキストマイニング、機械学習を掛け合わせて取得している。
「iCON Suiteによって、“ファンが多い割にエンゲージメント数が少ない”、またその逆もわかるようになります。また、ファンの興味関心については、細かく分類できればより仮説を立てやすくなるので、今後も注力して様々なカテゴリーで検索できるようにしていく予定です」(平良氏)
インフルエンサーの影響力を様々な尺度で検索、閲覧できる同サービスだが、活用方法は主に2通りあるという。まず、広告代理店・PR会社が活用するケースだ。
従来、広告代理店やPR会社はクライアントから依頼を受けると、10社程度のキャスティング会社からインフルエンサーのリストを取得していた。そのリストの体裁や情報の鮮度はバラバラなので、自分たちで1つのシートにまとめて、その中からクライアントのニーズに合ったインフルエンサーを探していた。
この手間のかかるフローが、iCON Suiteであればよりシンプルにできるという。
「インフルエンサーリスト機能を活用すれば、起用候補のインフルエンサーのリストを作成し、限定公開URLで外部と共有することができます。iCON Suiteでクライアントの商材に適したインフルエンサーを抽出してリスト化するのはもちろん、すでに手元にリストがある場合もiCON Suiteを通じて情報の鮮度・フォーマットを統一することで提案にかかる工数を減らすことができます」(國分氏)
