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デジタルトレンドレポート

【調査】業界アンケートが明らかにする動画広告市場の生の声


 本コラムでは、デジタル広告の新領域や日本以外の市場動向について紹介する。今回は拡大の一途をたどる動画広告市場の動向について解説しよう。

動画広告市場は拡大の一途

 動画広告市場は2017年に1,178億円に達するといわれている。「動画広告元年はいつだ?」などという話が、そこかしこで言われていたのも今は昔。その成長は誰もが疑う余地もない。

 ネット広告市場における動画広告の存在感は日々高まっている。

 数年前、YouTube以外には選択肢がないともいわれていた媒体も、現在はFacebook、Twitter、LINEをはじめとして非常に増えた。

 また、媒体の多様化とともに、広告主側も同様に業種や企業規模において、その裾野は随分と広がった。少し前は「動画広告の出稿などは、とても考えられない」というスタンスであったような広告主も、今は積極的に活用している。

 そして広告主側のニーズの広がりに合わせて、動画広告のフォーマットや仕様も増えた。インストリーム型広告中心の数年前と比べ、アウトストリーム型の広告がずいぶんと増え、最近では縦型、360度、VR等々の新しい仕様の広告商品も登場しており、日本でもいくつかの事例が出始めつつある。

 この成長著しい動画広告市場において業務に携わる業界関係者はとても多い。そしてこの市場への関わり方は多岐にわたり、それぞれの立場により意見も様々である。果たして業界関係者は、今日の動画広告市場の成長をどのように見ているのだろうか。

 マクロミルとデジタルインファクトは共同で、2016年11月から12月にかけて、国内デジタル広告業界関係者400 人(広告主、広告会社、アドテクノロジーベンダー、媒体社 に所属する担当者各100 名)を対象にWebアンケート調査を実施した(参考

 広告主、広告会社、アドテクノロジーベンダー、媒体社等立場別のクロス集計を含む、全調査結果は、調査レポートとして提供している。

 ここでは、その一部について紹介し、動画広告市場とする。

YouTubeへの評価が引き続き他を圧倒

 はじめに、そもそも皆どのような動画広告を取り扱っている、あるいは利用しているのだろうか。それに対する回答が下記となる。YouTubeの割合が最も高いのは誰もが納得するところだろう。2位以降にソーシャルメディアが顔を並べているのは、ここ数年における大きな変化である。

 そして2016年にタイムライン上で動画広告を本格展開したLINEがTwitterを押さえ3位であることもまた印象的だ。

取扱・利用のある動画広告媒体/Q:現在取り扱われている媒体、または利用している動画広告の媒体(広告配信先)をすべてお聞かせください(N=269、複数回答)/マクロミル・デジタルインファクト調べ(以下、同)
取扱・利用のある動画広告媒体
Q:現在取り扱われている媒体、または利用している動画広告の媒体(広告配信先)を
すべてお聞かせください(N=269、複数回答)
マクロミル・デジタルインファクト調べ

 では動画媒体の選択肢が増えつつある中で、利用者による目的に応じた媒体ごとの評価は現状どのようになっているのであろうか。以下は各項目についてあてはまるものについて選択をしてもらった回答率上位5位までを示したものである。

 これを見ると多様化は進んでいる一方で、YouTubeに対する評価が各項目で1位となっていることが見て取れる。

動画広告媒体の各種項目評価/Q:下記の項目について、当てはまると思う媒体をすべてお答えください//マクロミル・デジタルインファクト調べ(以下、同)
動画広告媒体の各種項目評価
Q:下記の項目について、当てはまると思う媒体をすべてお答えください
マクロミル・デジタルインファクト調べ

 動画広告媒体の多様化が進んでいるとはいえ、やはりYouTubeが高い評価を得ている様子がうかがえる。その存在は引き続き絶対的である。

 2位は、FacebookとLINEとが分かち合っており、3位から5位までのほとんどの項目において、Twitter、Instagramなどを交えたソーシャルメディア勢が顔を並べている。この傾向は、動画広告市場全体のトレンドともオーバーラップしている。

 サイバーエージェントが公表している動画広告市場調査では、2015年には全体の15%に過ぎなかったインフィード広告は、2017年には30%まで上昇する。そしてこのインフィード広告のほとんどは、上記のソーシャルメディアだ。

動画広告市場規模推計・予測(広告商品別)
動画広告市場規模推計・予測(広告商品別)
オンラインビデオ総研・デジタルインファクト調べ

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この記事の著者

野下 智之(ノシタ トモユキ)

株式会社デジタルインファクト 代表
ExchangeWire.jp 編集長

1983年設立の市場踏査会社、株式会社シード・プランニングの独立プロジェクトとして、2014年10月にデジタルインファクト(Digital InFact)を設立、2016年4月に法人化。

デジタル領域を対象とする市場・サービス...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/09/18 22:49 https://markezine.jp/article/detail/26546

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