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有園が訊く!

放送と通信が融合する時代、AbemaTVの存在価値とは?


コア/非コアユーザーのそれぞれで定着図る

有園:僕もAbemaTVのプッシュ通知をスマートウォッチに届くようにしていて、最近ではそれで突発的なニュースを知ることも多くなりました。受動的なメディアも、セレンディピティを生む点でやはり必要だなと思ったりします。

 ただ、じゃあ自分が毎日とか1日おきとかに番組を視聴しているかというと……。使ったことがある人を継続的なユーザーにするのも、ひとつの課題だと思いますが、その施策などは?

小池:いくつか軸があります。まず、将棋などの趣味のチャンネルでは、そのチャンネル内での定着を考えています。毎週観たくなるコンテンツや、夜の時間帯の帯番組、それから週末ですね。

 これらの起伏をつけて編成を組んでいくと、世のお父さんたちが土曜の夕方になんとなくテレビをつけてゴルフを見る、みたいな習慣が生まれてきます。それぞれのコアファンが、いつ来ても居心地がいい状態を作るのが基本です。

有園:ここに来れば何かやっている、と。

小池:そうです。その上で、プッシュ通知などリテンションをかけていくと、ある程度の定着が見込めます。とはいえ、ユーザーすべてがコアな人じゃない。半分以上は、先ほどの亀田さんの企画のような話題性や、目当てのライブがやっていたなど、たまたまきっかけがあってAbemaTVに来てくれた人です。

 そういう人たちをある程度セグメントしながら、数週間以内にまた興味のありそうな特番を組むなどしてアピールしていきます。編成はチャンネルごとのチームに加えて、全体を俯瞰するチームもあるので、そこがバランスをみています。

1,000万ユーザーなら“マスメディア”

有園:編成チームはチャンネルごとにわかれているんですか?

小池:ええ。加えて全体を俯瞰するチームもあり、そこがバランスをみています。次の土曜日は強いコンテンツが集まっているから、これを機にAbemaTVに注目してもらうにはどうするか、といったPRやマーケティング策を考えたりもします。

 そういう捉え方は、基本的に1チャンネルの民放地上波にはない部分かもしれません。縦の時間軸での編成はテレビみたいな感じで強弱をつけて、横のチャンネルをまたいだ編成は、仮にK-1がやっているならそれを主体にニュースやバラエティを配置する、という感じです。編成は基本的には1ヵ月前に決めていますが、1週間前くらいまでは変更もあります。

有園:スピード感がありますね。そのあたりも、人気の秘訣な気がします。ローンチ時、「新しいマスメディアを作る」といった主旨の藤田社長のインタビューを各所で目にしました。今、“マス”の定義をどう捉えていますか?

小池:何千万人が見に来るようなスーパーコンテンツを生み出すのも、マスメディアのひとつの条件かもしれませんが、我々が考えているのは「サービス全体に習慣的に1,000万人以上のユーザーが来ていること」ですね。

 今、週間アクティブユーザーが500万ほどなので、これをまず1,000万に伸ばそうというのが社内の共通目標です。そのくらいの規模になったときに、亀田さんのような起爆剤となる企画を展開すれば、今回の何倍もの影響力が出るんじゃないかと思っています。

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UXとコンテンツの質で勝負かける

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/06/29 19:45 https://markezine.jp/article/detail/26584

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