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動画広告の最適化、ポイントは「HEAVY」と「LIGHT」の使い分け


実際に広告配信、すると驚きの結果が

 前ページの調査結果を踏まえ、動画広告の配信を行ったところ、2つの指標で大きな違いがあった。1つ目は反応率。CTRを両動画で比較したところ、箱開け動画のほうが圧倒的に高い結果となった。

反応率の比較
反応率の比較

 2つ目は購入率。購入率はSTEP動画のほうが高く、事前調査と同様の結果となった。ただ、CPAを基準にして比べると両動画に大きな差がなかったことから、宮田氏は1つの仮説を立てる。

購入率の比較
購入率の比較

 「ダイレクトレスポンスを目的にする動画広告でも、それぞれ役割があるのだと思いました。STEP動画のような伝えたい要素の多い動画は、反応率がそこまで高くないものの、購入に近いユーザーの後押しに効きます。その上、ブランドメッセージもより伝えることができます。

 一方で、箱開け動画に関しては、動画で伝えるメッセージが比較的少ないため感情は動かしづらいものの、興味喚起を行うのには適していました」(宮田氏)

配信結果から導く「HEAVY」と「LIGHT」

 今回のタカミとの取り組みを通じて、宮田氏はこの気づきを体系化した。それは「HEAVY」動画と「LIGHT」動画を活用した動画のクリエイティブ戦略だ。「HEAVY」動画は、先ほどの事例でいう「STEP」動画のような、構成する要素が多いものを指す。ブランドや商品と親和性の高いユーザーとの関係性をより強固にしたいときに使用し、どちらかといえば顕在層向けで、潜在層を顕在層に引き上げるコミュニケーションには向いていない。

クリエイティブの比較図

 一方、「LIGHT」動画は潜在層に対して積極的にリーチしたいときに活用すると効果的だという。ただ、メッセージはほとんど伝えることができないため、親和性の高いユーザーと関係性を築くことはできない。

 さらに、宮田氏はクリエイティブの疲弊速度という観点からも「HEAVY」「LIGHT」動画に違いがあることを理解しておくべきだと解説する。

 「今回の事例でLIGHT動画にあたる箱開け動画は、配信開始から3日ほどで効果が大きく下落しました。そのため、すぐに新たなLIGHT動画を数多く用意する必要が出てきました。一方、STEP動画は40日間配信しても大きく疲弊することはなかったので、これも踏まえて動画の本数を調整すべきです」(宮田氏)

次のページ
今後動画広告に求められるクリエイティブ戦略とは

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/06/23 16:24 https://markezine.jp/article/detail/26671

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