ECや店舗における展開は?
先ほどの「3、モバイルでの体験をさらに改善? 検索連動型広告とディスプレイ広告のAMP化」において、ディシュレル氏のさらなる発言を見ていきましょう。
Purchases on GoogleとAMPの関係性
「Googleがホスティングしたページのショッピング広告から直接購入を完了できる、”Purchases on Google”(Buy Buttonと言われていたもの)は、直接的に私のチームが担当しているわけではありませんが、つい先日、その機能を使って物を買いました。検索してから購入が30秒くらいで完了し、非常に便利な機能です。
AMPとどう関係があるかという質問に対しては、”Purchases on Google”はEコマースという特定の目的に向けたものですが、AMPは(Googleのログイン認証情報や、クレジットカード情報など)Eコマースのための機能などはもっていませんし、もっと一般的な用途に向けたものです。Eコマース系の広告主であれば両方試してみることを推奨します。」
2つの「店舗売り上げコンバージョン」(store sales)の計測ソリューション
「先日のGoogle Marketing Nextで発表された方式は2つあります。一つは、ロイヤリティプログラムなどで顧客のメールアドレス情報があり、店舗の売り上げと紐付けられている場合、そのデータをインポートして、クリックと店舗売り上げコンバージョンをメールアドレスを使って紐づけることができます。もちろんプライバシーに配慮した形で。これは今、世界中のどの国でも使うことができます」
「もう一つのソリューションはよりユニークなもので、インテグレーションは何も必要なく、ご自身のアカウントに自動的に数字が表示されます。これは今のところ米国のみのソリューションです。これは、同じようにクリックから店舗売り上げコンバージョンを測定するものですが、Googleの金融業界のパートナーのデータを使って紐付けます。米国の約70%のクレジットカード・デビッドカードの購買データをカバーしているものです。十分な売り上げデータがある店舗の場合は、自動的にこの数字が管理画面に表示されます」
「Googleが開発した暗号化の技術を使っていて、金融パートナーからのデータも、Googleからのデータも、完全に暗号化された形でやりとりされます。ですので、購買データの中身も見れませんし、ある程度集計した単位でしか見れません」
このソリューションは現在は大手リテーラーが対象になっていると思うが、もっと小規模の店舗にも展開する予定はあるのか?という質問に対しては「もちろんその計画です。もっと多くの国の多くの広告主に使ってもらえるように展開したいと考えています。ただ、やるべきことはいくつかあり、アルゴリズムの改良を続けるのはもちろんですが、より精度を高めるために、Bluetoothビーコンの設置をかなり大量にしています」と応えていました。
オンライン/オフライン連携が本格化か
上記に関しては、どれもGoogleとして注力をしている分野だと思いますが、SMX Advancedで参加した他のセッションからも、オンライン-to-オフラインの動きが活発化していると感じました。というのも、Facebookも同じように、CRMなどのパートナーと組みつつ、自社の広告と店舗での売り上げを紐付けようとする動きがあるからです(参考記事はこちら)。
広告効果の高さを示すためには、今まで含まれていなかった店舗での売り上げを考慮するのは至極当然の動きかと思いますし、技術的にも可能になり、広告主のニーズもついてきたと言え、いろんな意味で盛り上がっておかしくないタイミングかと思います。
一方で、別のセッションでは、テレビ、音楽ライブ、スポーツの試合、天気などと、その内容に連動したオンライン施策をリアルタイムで自動的に展開する、という「モーメントベースマーケティング」の話がありました。時代のニーズに合った、新しい手法だと思いました。これに関しては別の記事で紹介できればと思いますが、それも含め、今年は「オンライン/オフライン連携」がメインストリーム化する可能性を強く感じたSMX参加でした。
本記事は「Unyoo.JP」の記事「キーノートから読み取るGoogleの3つのフォーカス:SMX Advanced 2017より」を要約・編集したものです。オリジナルコンテンツを読みたい方は、こちらをご覧ください!
