市場規模の大きいカテゴリーは?
BtoC-EC市場の内訳についてみていきます。本調査では、BtoC-EC市場を大きく3つの分野に分けています。

2016年の市場規模では、「物販系分野」が最も大きく約8兆円(全体の52.9%)、次いで「サービス系分野」5.3兆円(同35%)、「デジタル系分野」約1.8兆円(同11.7%)となっています。
報告書の中では、更に物販系分野(9つ)、サービス系分野(6つ)、デジタル系分野(5つ)の計20のカテゴリー(=市場)に細分化した数字も掲載されています。そちらをみていきましょう。まずは市場規模順に並べてみました。敢えて、分野ごとではなく全て並列に並べています。

- 1兆円以上の市場は計7市場、物販系分野が多くなっている
- 「旅行サービス」が3兆円と突出して大きく、全体の2割を占めている
- 「オンラインゲーム」市場が、デジタル系分野の中では突出しており、1.3兆円(8.6%)を占める
旅行は単価も高いですし、ネット予約も一般化しているため違和感はないですね。改めて見ると、オンラインゲーム市場の大きさに驚かされます。
市場規模が伸長しているカテゴリーは?
前年からの伸び率順でも並べてみました。

- BtoC-EC市場全体の伸び率は9.9%
- 伸び率上位(20%以上)の4市場は、「有料動画配信」、「飲食サービス」、「理美容サービス」、「電子出版(電子書籍・電子雑誌)」といずれもデジタル系分野、サービス系分野の市場(1,000億~3,000億円程度の市場が年20%以上の伸びを示している)
- 最も伸び率が高いのは「有料動画配信」で、77.4%と突出している
「有料動画配信」については、報告書に以下の様な記載があります。
「2015年と比較し市場規模が拡大した理由は、アマゾンプライムビデオ等の付加価値サービス型SVOD(Subscription Video On-Demand)を市場規模に含めたためである。(中略)付加価値サービス型のSVODとは映像配信がメインのサービスではないものを指し、メインのサービス料金を支払うことによって映像配信を副次的に利用できるスタイルのSVODである。」
純粋な伸びとは捉えられないかもしれないので注意が必要ですが、この様な変更をしたという事実自体も着目すべき事かと思います。
金融サービス市場を除いてはいずれの市場も前年より拡大しています。3兆円と最も規模の大きい旅行サービス市場も、前年より5.3%伸びています。
この連載は?
本連載はマーケティングにおけるデジタル活用情報を伝えるウェブメディア、「D2Cスマイル」の記事を、MarkeZine向けに再編集した出張版です。出典元はこちらです。