「定例会資料、次からはいらないよ。」
高瀬: 当社のクライアントで、似たケースがあります。マーケティングダッシュボードを構築されているクライアントなのですが、「定例会の資料は、時間がもったいないからいらない」と言われ、以降の会議はデジタル上のシートに更新しながら行っています。そうした企業は、チームの方々がデータの重要なポイントを把握していて、運用の結果がどう数値に反映されたのか、定例会が始まる前に認識している。
かつ、運用の結果が組織内に蓄積されているので、次に施策を仕掛けた時に得られるユーザーのリアクションや、そこから出る定量的な結果をマーケター側である程度予想している。私たちトレーディングデスクやエージェンシーが経験を積む中で学んで、広告主にお伝えしたいと感じる知見を、マーケターの方々が独自に獲得しているんですね。
彼らは私たちトレーディングデスクをアウトソースとして使っているけど、マーケティング活動におけるデータの基点は内製している。マーケティング活動の主体は、あくまでも広告主にある。そのことを私たちはすごくポジティブに捉えています。願わくば、マーケティング全体のディレクションを積極的に担っていこうという企業が増えていってほしいです。
データを社内で整理・統合するためのダッシュボードを持っていて、それを基点に私たちパートナーに対して示唆してくれる、というのは一つの理想形です。そういう企業は、課題意識が明確で、フィードバックも早いので、オーダーが多いんです。
こちらも必死に提案をさせていただくのですが、鋭い逆提案をいただいたりして危機感を覚えるほどです。こういったことも我々はポジティブだと感じています。もっと頑張らないといけませんが(笑)
「ディレクション能力のあるマーケター」が輝く時代に
――現時点では、広告代理店・広告主サイドを問わず、資料作成・レポーティング自体を重要なタスクだと考える文化があると思うのですが、広告業界全体が「レポーティング離れ」を達成できればその先にどういう世界が広がっていくとお考えですか。
石戸:Datormaをご利用いただいているネスレ日本様の例を話しますと、広告の運用結果をリアルタイムに見られるようになったことでビジネスインパクトが出たとうかがっています。また、広告代理店のレポート作業が省力化されたことで代理店からのご提案の質も上がったそうです。
代理店側が、「レポートがなくなったら仕事がなくなってしまう」という不安感を持っているケースも見られますが、杞憂だと考えています。
代理店側も、レポーティングの仕事が減ることで働き方が改善され、追加の提案にリソースを割けるようになり、追加の発注がくれば当然収益の柱である広告メディアの取扱高も上がっていく。広告主、代理店の両サイドにとっての好循環が回るようになります。
実際にここ数ヵ月で日本の広告代理店にDatoramaの導入が進んできていて、レポーティングにおける考え方も変わってきているように思います。
高瀬:私たちとしては、そうした「双方よし」の取り組みが拡大していくかどうかは、本質的には広告主側のマーケターのディレクション能力にかかっていると思っています。
代理店主導でBIツールの導入を進めたものの、マーケター側がそれを見ていない、あるいは見ても指示が出せない状況にあるとしたら、マーケター側の一念発起も必要になると思います。
パートナーとなる代理店の担当者が圧倒的なパワーを持っていて、良い意味でクライアントを掌握して、部門内外の利害関係者全部をディレクションできるならいいですが、そうでない場合は、マーケター側が主導権を持って実行していくんだ、ディレクションをしていくんだ、パートナーを動かしていくんだという強い意志と行動で推進していっていただきたいのです。
そして、挑戦するマーケターのみなさんを、私たちは全力で支援して、本当の意味でのパートナーシップを築きたいと考えています。
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