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運用型広告時代の要!トレーディングデスク最前線(AD)

エクセルでのレポーティングはもう限界!BI活用企業に見るマーケターが一番輝く働き方とは

デジタル広告とテレビCMのPDCAを一元的に回すことも可能に!?

――どんな課題の解決のためにDatoramaを利用するユーザーが多いのでしょうか。

石戸:最近クライアントのニーズが大きいのが、テレビCMとデジタル広告、顧客の売上関連データなどの一元的モニタリングです。特にマス広告を中心に施策を行っている企業は、TVCMが一番大きな投資であるにも関わらず、投資比率の低いデジタルチャネルよりも最適化や科学がしづらいという問題意識をお持ちの企業が多いです。

 たとえばテレビCMとデジタル広告のクロスチャネルキャンペーンが始まった際、テレビの視聴データとデジタルのデータがリアルタイムにわかれば、その結果に応じてキャンペーン途中であっても、デジタル施策によってテレビCMでリーチできていない部分を即座に補完できますよね。

 これまではデジタルチャネルと比較し、テレビCMのパフォーマンスを可視化するためのデータを得る手法が限られていて、リアルタイム性がなかったため、テレビCMの 最適化を追求できている企業は少ない印象ですが、Datoramaを使えば近い将来実現できると気づき始めている広告主さんもいらっしゃいます。

高瀬:テレビの視聴データ取得はよりきめ細やかなものになってきていますね。たとえば、ビデオリサーチでは世帯GRPではない、ターゲットリーチでのGRPが取れるようになっていくようですね。自己申告ベースではあるそうですが。

石戸:そうですね。他にも、インテージの子会社のIXT(イクスト)が、スマートテレビの視聴ログデータを持っています。具体的には、50万台以上のネットに結線されたテレビの視聴ログを蓄積しているのです。他にもエム・データのTVメタデータなど、世の中にはTVCMを科学するためのデジタルデータが増えてきており、それぞれのデータのN数も年々伸びています。

 インテージ社とは今年5月にDatoramaとのデータ接続のパートナーシップを発表しているのですが、既に具体的にDatorama上で実装を開始している会社もあります。ここ1年でそうした企業も増えていくのではないでしょうか。

 ただそれができるのは、企業の中にいるマーケターの方々に強い課題意識があるからなんです。その際に広告主側のナレッジとリーダーシップが必要なのですが、日本の多くの企業ではジョブローテーションが数年に一度はあるため、優れたマーケターの方が築き上げたナレッジが組織に蓄積されにくいという課題も持ち合わせていると思います。

 また、どんな場合でも必ずうまくいくというわけではないですが、自社のデータを大切にして活用していこうと主体性を持って取り組む一環として、ノウハウを蓄積していくためにエージェンシーに委任してきた業務を一部インハウス化してみるのは、一つの方向性だと思います。

データの示唆は会社にとっての資産

高瀬:弊社としても、なんでもかんでもインハウス化するのがいいとは思っていません。ですが、外部パートナーと一緒に仕事していく中で得られるデータや、そこから出てきた気づきやアクションの結果はクライアントの資産なのだということは、いつもお伝えすることです。

 そして何より、おこがましい言い方かもしれないのですが、我々のような外部パートナーに対するディレクション能力を高め続けていただきたいんです。外部パートナーを巧みにディレクションできる企業は、分析や次の施策を打つ際のプラニングなどのスピードが速くなるのはもちろん、RFP(提案依頼書)の精度が格段に高くなります。

――RFPの精度が上がるほど、パートナーはより良い仕事を提供できるようになりますね。

高瀬:まさにそうなんです。弊社に限らず、外部パートナーによるアウトプットの質を上げるためにRFPは重要です。そして優れたRFPを作れるのは、BIツールの導入などによってレポーティング作業を省力化し、データ全体を俯瞰的な視点でモニタリングし続け、多くのファインディングスを資産として獲得している(つまり本質的にPDCAが回せてきている)からこそと考えています。

外資系エンタメ企業のデータドリブン体制に衝撃を受ける

石戸:インハウスの話で思い出したのですが、私がBIダッシュボードに感銘を受けたのは前職Google時代に訪れた某外資系エンタメ企業さんのアメリカ本社オフィスだったんです。

 彼らは40-50人規模のインハウスのエージェンシーを組織していて、トレーディングデスク機能を持っている。名だたるエージェンシーやパブリッシャー出身者で組織化されていて、磐石なインハウスエージェンシーの実務を経た彼らの知見は圧倒的でした。恥ずかしながらGoogleの社員だった私よりDoubleClickに詳しい時もありました。

 加えてマーケティングダッシュボードも駆使していて、グローバル展開している130ヵ国のデジタル広告パフォーマンスや自社のビジネスデータなどを色々な部門で見ることができるんですよ。これがData Driven Marketingの一つのあり方だなと思いました。

 その会社とはGoogle Hangout(テレビ会議システム)経由でGoogle documentやGoogle Slide(オンラインソフトウェア)をテレビ会議に映しながら外部パートナーと打ち合わせをするのが当たり前で、そのマーケティング組織体制や働き方を見て私の世界観が変わっちゃって。

 印刷したエクセルのレポートを山のように積み重ねて会議をしていたのは本当に非効率だったし、実際に私もそれからは数えるほどしか資料を印刷したことがないと思います。BIの大切さと、データドリブンな組織の最新形を学んだ瞬間でした。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/11 12:00 https://markezine.jp/article/detail/27007

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