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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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カスタマージャーニー研究プロジェクト(AD)

お客様の期待に応え「頼れるカード」になるために、社内を巻き込み突き進むJCB WEB統括部

まず、各ライフステージでの顧客の“当たり前”を分解

 では、実際に現在どのような施策を実行しているのだろうか?

 前提として、カードには入会や利用促進といった複数のライフステージがあり、それぞれのステージにおいて各顧客の“当たり前”がある。その抽出と分解が取り組みの第一歩となった。各ステージで理想のカスタマージャーニーを描き、その中の各プロセスにおける顧客の期待を整理した上で、ではその期待に応えられているのかを考え、ギャップを洗い出す。そこでも、先の岡田氏の話のように数値で可視化しなければ感覚的になってしまうので、逐一KPIを設定して数値での確認を基本とした。

顧客行動・気持ち、現状と必要な施策を整理
顧客行動・気持ち、現状と必要な施策を整理(イメージ)

 Marketing Cloudを用いた顧客満足の向上には、WEB統括部の企画グループ内のCXチームが主に取り組み、データの抽出などは分析チームがサポートしている。CXチームの桑原光彬氏は、チームについて「Webサイトやアプリ、メールなどのデジタルチャネルを活用した顧客体験の最適化がミッション」と話す。

株式会社ジェーシービー WEB統括部 企画グループ 主任 桑原光彬氏
株式会社ジェーシービー WEB統括部 企画グループ 主任 桑原光彬氏

 最初に取り組んだのは、「入会初期」のライフステージでの顧客体験の改善だ。事前に部内でカスタマージャーニーのたたき台を作成しながら、入会後のコミュニケーションを主管する部署に取り組みの背景や目的を説明し、合わせて同部に現状の取り組みやKPIをヒアリング。チームビルドに、今年の2月ごろから2ヵ月ほどかけたという。

3時間のワークショップで顧客行動・心理の仮説を構築

 プロジェクトの要は、3時間に及ぶワークショップ。カードを申し込んだ顧客が1~2週間後にカードを受け取ってから、具体的にどういう行動をとるのか。その都度、どんな希望や要望があるのか。それに対して現状でどうアプローチしていて、その反応はどうか。それらを把握し、理想のカスタマージャーニーに対して欠けている穴を埋める施策を検討した。

 たとえば以前は、入会後1ヵ月ほどしてからウェルカムプログラムとして、カードの使い方に関する6話構成のメルマガを送付していた。しかし実状を調べると1ヵ月後には多くの顧客が初回利用を終えており、また顧客全員への自動配信のため各人の利用状況を踏まえてはいなかったことから、もっと初回送付を早め、かつ未利用の顧客へは別のアプローチが必要だと浮かび上がった。

 そこで、メルマガでの解説とは別に、入会初期施策としてシナリオメールを設定。1~2週間のうちに、入会のお礼から始まる4通のメール送付を計画し、ワークショップ後に実際にMarketing Cloudを通して実行。

 すると、入会のお礼メールは開封率が約70%と高い数値を示し、MyJCBへのログインページなどへのクリック率も約43%となった。続く初回利用のお礼メールなどでも、同様に高い反応が得られたという。

 「当社から配信するスポットのメールだと、開封率は20%ほどなので、施策を実行してみて、タイミングを捉えたアプローチが大切だと実感しました」(桑原氏)

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この記事の著者

加藤 希尊(カトウ ミコト)

チーターデジタル株式会社 副社長 兼 CMO
広告代理店と広告主、BtoCとBtoB両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。WPPグループに12年勤務し、化粧品やITなど、14業種において100以上のマーケティング施策を展開。2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画し、日本におけるマーケティングオートメ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/18 17:42 https://markezine.jp/article/detail/27088

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