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誰もが負荷なくデジタルマーケティングを行える世界の実現を リクルートコミュニケーションズが起こす革命

 多岐にわたる事業領域でクライアントとカスタマーのマッチングビジネスを展開するリクルートグループ。中でもリクルートコミュニケーションズ ICTソリューション局内にあるデジタルマーケティング推進部では、中小企業向けの独自デジタルマーケティングプロダクトの展開推進に注力している。本記事では同部署に所属する5名の社員に、企画力や設計力の背景に迫りたい。

デジタルマーケティングで中小企業支援を実現する

 リクルートコミュニケーションズ(以下、RCO)は、リクルートグループの制作・業務設計・宣伝・流通、ならびにデジタルマーケティングの機能をもち、事業領域を横断してソリューションやプロダクトを提供し、クライアント(広告主)とカスタマー(エンドユーザー)のベストマッチングを生み出す“機能会社”。具体的には、各事業領域である人材・住まいや暮らし・結婚・学び・旅行・飲食・美容といった多種多様な分野で、クライアントとカスタマー双方にとって最適なコミュニケーションは何かをプランニングし、制作×設計×ICTの力でリクルートグループの競争優位を作りだす会社である。

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 中でもRCOのICTソリューション局 デジタルマーケティング推進部は、「誰もが負荷なくデジタルマーケティングを利活用できる世界の実現」を目指し、簡易に安価に取り扱えて高い効果の期待できる独自プロダクトの展開推進を行っている組織だ。中小企業が個別に抱える課題から共通点を見出し、その課題を一手に解決できるソリューションを仕立てている。

 これまでにも同部署を通じて、「統合マーケティングエンジン“Lierco”」や「オウンドメディア生成プロダクト」がリリースされ、すでに参画しているアカウント数も数万以上と、著しい成長を見せており、今後はアカウント数グローバルNo.1も視野に入れているという。ここからは同部署で、デジタルマーケティングの利活用促進・その成果としてのアカウント数グローバルNo.1に向けて、日々奮闘する5名へのインタビューをお届けする。

株式会社リクルートコミュニケーションズ ICTソリューション局 デジタルマーケティング推進部
左から、竪山裕一氏、鶴見洋介氏、大久保亜美氏、大城康平氏、木山団氏

中小企業の支援で重要なのは自動化と低コスト

MZ:まず、リクルートグループの中で、「誰もが負荷なくデジタルマーケティングを利活用できる世界の実現」を目指し、中小企業支援をされているみなさんだからこそできた仕事について聞かせてください。

大城:目指したい世界というのは、中小企業がデジタルマーケティングを行う際に発生する様々なハードルを下げることを指します。

 リクルートグループを横断する我々は、不動産、自動車、飲食、美容、人材などの領域で様々なクライアント接点を持っていることから、中小企業にとって流入や反響、成約を増やすことが難しく、重要であることは十分に理解しています。

 そして流入や反響、成約を増やすための質の高い集客を実現するには、デジタルマーケティングを活かすことは必至です。

 そこで私たちICTソリューション局では2012年、「統合マーケティングエンジン“Lierco”」を内製で開発しました。“Lierco”は集客を最適化し、クライアントの運用リテラシーやコスト(予算)、運用負荷などのデジタルマーケティングにおけるハードルを大きく下げるソリューションとなっています。

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 我々は、それをリクルートグループの各領域のメディアを利用するクライアントへ、各事業の営業部を通じて展開推進しています。導入する領域によって異なる課題やメディア特徴も考慮しながら、“Lierco”×メディアのバンドル商品を設計しています。

大久保:“Lierco”は、アルゴリズムや最適化に強いエンジニアが、アカウント開設、タグ設計、リスティングのキーワード設計や入稿作業などあらゆる工程を機械学習などのテクノロジーで完全自動化しています。これにより、クライアントは、配信から運用までワンストップで、安定した効果を得ることができるようになり、負荷なくデジタルマーケティングを使い、効果を得ることができます。そのため“Lierco”は、2012年のリリースから現在までに、領域をまたぐ数万社のクライアントに利用いただいている状況です。

オウンドメディアの作成から集客までを自動化

MZ:中小企業支援をする上では、中小企業ならではの不を解消し、実態としてきちんと使えるソリューションをつくることが大切なのですね。

木山:はい、それこそ私たちが大事にしている提供価値です。

 具体例として1つ、私が担当する飲食領域では、飲食店のオウンドメディア活用負荷課題に着目し、Webサイトを自動で生成・更新でき、そこをランディングページとしたWeb集客も可能なソリューションを開発し、提供しています。

 近年、メディアの多様化により、ユーザーのWeb行動も多様化しており、ユーザーは、各店舗が持つWebサイトを訪問し、情報収集をする機会が増えています。これらの背景から、オウンドメディアの立ち上げやリニューアルを考える飲食店は増えたものの、コストや運用の手間などから実際に取り組めている企業はごく少数でした。

 そこでオウンドメディア生成プロダクトを開発・提供したことにより、各飲食店はオウンドメディア作成と、Web集客を自動で行えるようになりました。さらに各種SNS(アーンドメディア)とも連携可能なため、トリプルメディアのすべてがカバーできるようにもなります。

MZ:自動生成だけではなく更新も自動化できると、日々の業務に追われている店舗側にとってはとても便利ですね。

大久保:リクルートグループが運営するメディアの掲載情報を活用することで、オウンドメディアを自動生成し、また、オウンドメディアの情報を活用することでWeb広告配信も自動化しています。そうすることで、飲食店の運用リソースやコストの負荷課題解決を実現したのです。

好奇心の強さが事業と人の成長を加速

MZ:主に中小企業が切実に抱える課題と向き合い、新しい価値を生み出し続ける仕事は試行錯誤の連続だと思いますが、仕事の中で、どういうことを大事にされていたり、意識されていたりするのですか。

鶴見:中小企業に対してのプロダクトやソリューションに興味があることはもちろん、新しいWebサービスやプロダクトによってマーケットや企業の課題を解決し、世の中に価値を提供し続けたいと思うWillや意識があると、何としてでも成し遂げようという気持ちになりますね。

 あと、これは我々のミッションでもありますが、とにかく考えることをやめずアウトプットし続けることも大事です。また、外部要因によるマーケットの変化は激しいので、向き合うものの優先順位が頻繁に変わります。

 自らが課題と捉え生み出そうと決めたソリューションを企画・開発し、マーケットへ展開するということをやり切ることができる。そのために不確実性の高い状況を楽しみ、予測不能な現場に飛びこめるといった、良い意味で諦めが悪く、あらゆる手段を検討できることも大切だと思います。

商品価値にこだわる・テクノロジー活用で質と量の両立

MZ:同部署では、デジタルマーケティングを主軸として、主に中小企業の課題を解決するプロダクトを推進するという特徴がありますが、そこで成果を出すために重要なことはなんでしょうか。

大久保:大きく2つあります。クライアント課題を特定し、本質的な商品価値を創造することにこだわり抜けること、また、テクノロジー活用を起点とした発想の転換ができることですね。

 前者は、持続的なビジネス・ソリューション提供の根幹になると捉えています。難易度高く一度で定義し切れるものではないので、筋の良い仮説を出し続けることが重要です。

 後者については、中小企業の場合、各クライアントのバジェットは少なく、一方で、全国に数百万社あるというマーケット状況に起因します。広告運用を、人力を前提にBPRして頑張るという考えでは、対応可能社数の限界値はあまりに近く、目指したい世界の実現にはつながりません。

 例えば、当社では、SEM・ディスプレイ・SNSなどの数万社の広告配信設定において、人手を介さずに自動で処理をかけていますし、配信ロジック設計において、キーワードなどのクリエイティブ要素を自動生成したり、機械学習を活用して低単価×数万キャンペーンの配信と効果改善チューニングを自動で行ったりすることで、質とボリュームを両立させています。

MZ:高いレベルで課題設定できるよう個人がスキルを磨き、また発想や実現テクノロジーを活かすことで、いかに少ない労力で多くの成果をもたらすことができるかを考えることが重要なのですね。

 みなさんは、日進月歩で変化するマーケットに対峙しているからこそ、新しい知見をキャッチアップし続け、個人のスピード成長が求められると思うのですが、働く環境という点で、良いなと感じていることは何ですか。

竪山:業務の一環で海外カンファレンスに参加できることですかね。仰る通り、デジタルマーケティングの潮流はとてつもない速さで変化を続け、テクノロジーも日々進化しています。それらをキャッチアップし学び続けることが求められる中で、海外の最新情報を収集できるのは嬉しいです。

 またカンファレンスに参加することで、クライアントが求めているデジタルマーケティングにおける課題解決をマーケット全体の観点で発想するためのヒントが得られます。どうすれば効果や利益を持続的に創出して継続的なサービス提供ができるのか、事業開発視点を養いながら、視野を広く持ち、視座を上げていくような自己成長が図れます。

めまぐるしい変化の中で成し遂げたいこと

MZ:最後に、同部署で今後どのようなことに挑んでいきたいでしょうか? 

竪山:リクルートグループが展開する広いビジネス領域やマーケットには多くの課題が存在する中で、我々は独自の立ち位置でグループのアセットを活かしたソリューションを開発してきました。そして実現できる、実現したいことが、想像するだけでもまだ無限にあると思うんです。

 その想像を具現化して、我々が向き合う中小企業の課題を解決していくこと、またその解決総量や面積を大きくしていくこと、この2つを成し遂げたいです。

大久保:リクルートグループには、カスタマー接点となるメディアと各事業の営業が築いてきた強いクライアント接点、RCOにはICTソリューション局が独自開発した統合マーケティングプラットフォーム、そこに蓄積し続ける膨大なデータ、世界トップレベルの基準で採用しているエンジニアの高い技術力や実装力があります。

 私たちマーケターが中小企業の課題解決につながるソリューションをマーケットへスピーディに展開できる環境は整っています。そのソリューションのスケーラビリティは自らの企画や構想で変わってくるので、私たち次第でマーケットインパクトをどんどん大きくできる。そこが私たちの仕事の一番の魅力ではないでしょうか。

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この記事の著者

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/02 11:08 https://markezine.jp/article/detail/27097