実際のシリーズものCMでは
どこまで意識的に設計されているかはわかりませんが、実際のCMも図に当てはめて考えることができます。
たとえばauの三太郎シリーズは昔話の主人公である桃太郎、浦島太郎、金太郎の3太郎キャラが登場。この図に当てはめると「ヒーロー」になります。
元々、auはNTTという通信大手に対する挑戦者として登場した歴史があり、リスクをとるヒーローのポジションでブランディングする背景があります。
ソフトバンクの白戸家はホームコメディなので、この図では「コメディアン」に位置します。新規参入する楽天は残っているポジションである「賢い、スマート」と思わせる位置を狙っているかもしれません。

キャラクターなくしてコンテンツも成立しない
『The Hero and the Outlaw』は、スターウォーズやハリウッド映画に多大な影響を与えた『千の顔をもつ英雄』という神話を体系化した本と、神話をキャラクターで論じた書籍『英雄の旅 ヒーローズ・ジャーニー』から影響を受けています。
古来から受け継いできた神話には、人間の願望と欲望が色濃く反映されています。コンテンツマーケティングという物語とマーケティングを組み合わせる方法の中で、キャラクターとインサイトの対応は重要なヒントになります。
インサイトなくしてマーケティングは成立しませんし、キャラクターなくしてコンテンツも成立しません。スポンサーとなるブランドに相当するキャラクターを想定して物語を作ればスポンサーのメッセージとおのずと合致します。
「運命とはその人の性格のことである」という言葉がありますが、キャラクターが決まれば行動パターンも決まり、おのずと物語も決まっていきます。
「どういったキャラクターにしましょうか?」という会話が、今後のコンテンツマーケティングで話されるようになっていくと思います。単に既存の有名キャラクターとのコラボするのではなく、一からキャラクターを作るほうがおもしろいでしょう。
ただあまりにパターン化を突き詰めていくとワンパターンになってきてしまうので、結局はひらめきが大事。私の記事も最終的にひらめきのヒントになれば幸いです。