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なぜセブン銀行は「5円から投資」のトラノコと組むのか フィンテック時代に仕掛ける「おつり革命」に迫る

セブン銀行が「トラノコ」から受け取ったもの

――今回のTORANOTECさんとの協業はどういう未来に向かっていくのでしょうか。これから「トラノコ」さんは、外部サービスとの提携を進めて、外部の提携企業のサービスを利用すると「トラノコ」の利用料が割引となるといったロイヤルティプログラム支援を提供していくとうかがっています。

 この取組は、「トラノコ」にとっては新規会員獲得施策であり、新たなレベニューが加わるのに対して、外部サービスにとっては、値下げ競争の回避につながる顧客ロイヤルティ強化施策になるわけですが、セブン銀行さんもしくはセブンイレブンさんとしては、競合を利することにもなりえますよね。それは問題ないのでしょうか。

松橋:私たちはTORANOTECさんのサービス理念に共感したのがまずあります。zaimさんやMoneyForwardさんとの連携など、オープンイノベーションといえるような取り組みをそばで見ていて、刺激をもらっています。

 なにより、1年前には事業構想を記したパワーポイントしかない会社だったのに、今やサービスをローンチして、テレビや新聞・雑誌の記事に次々に取り上げられている、そのスピード感に驚愕しています。

 セブン銀行としては、むしろお客様目線で、使いやすいものをどんどん作ってもらいたいので、「トラノコ」ができるだけさまざまなシーンで使えた方がいいと考えています。

 そのために、TORANOTECさんでは、お客様の実質的な負担(アプリ料金)を下げていくことも検討しているとのことです。たとえば、特定のお店や決済手段でお買い物した際には、よりお得におつり投資することができる仕組みがあれば、お客様にとっては負担が軽くなり、サービス提供側はお客様の来店や利用動機につながります。

 ポイントや割引などとは異なる販促・満足度向上施策と捉えることもできるかもしれないと、幅広い業種と協調して取り組む可能性を広げようとしています。

 既成概念をことごとくぶち壊して進んでいく「トラノコ」に影響を受けて、自分たちのビジネスも新しいモノを生み出していかなければいけないと改めて考えるようになりました。「うちと早くこういうことをやらないと」というお願いを投資元としてセブン銀行が言っていては、TORANOTECさんもやり辛いだろうと思っています。刺激を受けつつ、自由にサービスを拡大してもらう、このちょうどいい距離感のある関係性が、最大の成果ですね。

 両者に共通する点として、決して富裕層とかは狙っていなくて、毎日コンビニで買い物をするようなお客様を中心として、今まで投資に興味があったけどやってこなかった人たちの層を対象に見ていることが挙げられます。

 商売する領域が似通っているので、いずれシナジーが生み出せると思っています。あんまり焦らずに新しい取り組みを重ねていければと考えています。

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この記事の著者

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/16 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27217

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