ABMの普及はテクノロジーの進化から
近年、日本でも注目されているB2Bマーケティングのトレンドのひとつが、ABM(Account Based Marketing)だ。これは、ターゲットの企業(アカウント)を定義した上で最適なマーケティング戦略を展開する手法である。このABMが近年注目されている理由についてコストー氏は、テクノロジーの進化を挙げる。
「ABM自体は決して新しい概念ではないと思います。ただ今なぜ注目されているのかというと、テクノロジーが進化したからに他なりません。これにより、企業側がABMを実施しやすい環境が整ったからです。
近年、B2Bマーケターの方たちと話をしていると、彼らはより営業に近い段階でのマーケティング活動を並行して行うことを望んでいるように見えます。営業とマーケティングが一つのプラットフォームの上で、適切にパーソナライズを行いABMが展開できる。Pardotはそのためのプラットフォームであり、お客様のABM戦略の成功をお手伝いできると考えています」(コストー氏)
同氏は加えて、マーケティングの全貌が「見える」ことの重要性についても強調した。進行中のマーケティングに関するデータが見えるようになり、どのアクティビティが最も効果的なのかわかるようになれば、予算や人員の投資効率化が進み、効果は加速度的に増えていくからである。
「マーケターは、現在行っている投資にどれほど効果があり、施策をどれだけ行うべきかを、常に説明できなければならない時代になっていると思います。具体的には、CEOや営業部門のトップに対し、自分たちが行っている施策の効果をデータで示し、説得力を持たせなければなりません」(コストー氏)
今後期待のAI、B2Bマーケティングをどう変えるか
コストー氏は、マーケティング業界を取り巻くもう一つの大きなトレンドとしてAIの存在は外すことができないと語り、Salesforceが発表している独自のAIソリューション、「Salesforce Einstein(アインシュタイン)」についても言及した。
「Salesforceは Einstein ABMという新しいソリューションをすでに提供しています。これにより、お客様となる確率が高いアカウント、より追いかけるべきアカウントの特定が容易になるでしょう。
例えば、Predictive Lead Scoring(プレディクティブリードスコアリング)という機能は、最適なリード獲得へのフォーカスを手助けしてくれます。クロージングに近いリードの優先順位を上げることができ、営業部門は期待値の高い順に訪問できるようになります。これにより、営業の生産性はより高くなり、マーケターはより短期でROIに見合った成果を出せるはずです」(コストー氏)
Pardotでは他にも、Facebookなどのチャネルを使ってのマーケティングも可能とのことで、BtoC領域にも入り込んだB2Bマーケティングツールとしての可能性を示唆した。
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