顧客を知るには「モテないことを自覚する」ことから
「デジタルマーケティングで大切な要素の2つ目である、『顧客を知る』というのは、平たく言えば『私たちのお客様は誰か?』を考えるということです。絶対にNGなのが、“なんとなく「みんな」に売りたい”という姿勢です。
どんな人に買って欲しいか、ランディングページに来て欲しいのか、顧客をイメージすることが大事です。ターゲット層(顧客像)が決まれば、その人たちをいかにサイトに連れてくるかを考え、確実に購入してもらう流れをつくることができます」(龍氏)
セッションでは、「顧客」を知るプロセスを恋愛に例えて説明。好きになってもらうために、相手のことをよく知り、自分の良いところを見せようとする。広告というのは、好きな人へアプローチするための“ラブレター”のようなものだと表現する。
「自分の会社をモテない人間に見立てて考えてみてください。モテないことを自覚すれば、ラブレターを渡す相手のことを真剣に観察し、本当に相手が喜ぶことを見極めて内容を組み立てたり、渡し方を吟味してラブレターを書くと思います。
広告で言えば、ライバル社と自社がどう違うのか、『生産方法』『価格』『技術』などの面から強みを探り、顧客に伝えますよね。相手がわかれば届け方を変えることができ、コミュニケーションが効率的・効果的になります」
商品を買うと顧客に何が起こるのか?自社の強みを整理しよう
3つ目の要素、「自社」を知るということ。これは顧客に提供する価値を考えることと同義だという。
「自分を知って強みを整理し、相手を知って興味関心や好みを把握することが基本です。そこから、自分が相手にどんな価値、お客様にとってのメリットを提供できるかを考える。
商品を買うとお客様に「どんなよいことが起こるのか」を知ることが重要で、お客様が購入する意味、買った後にどのような行動をするかを知ることが、自社を知ることにつながります。
このように顧客視点からコミュニケーションを組み立てることで、デジタル広告で課題解決ができるようになってきます」(龍氏)
「市場」「顧客」「自社」この3つを知ることが、デジタル広告を失敗しないための要素となるが、これらを踏まえ、「どの面に」「誰に」「どのクリエイティブで」どう掛け合わせて伝えていくかが広告効果を高めるためのポイントになる。逆を言えば、ここが連動していないと効果は得られない。