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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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ソーシャルグッドで社会を変える

ITの力で地域を活性化!トラストバンク「ふるさとチョイス」、市場開拓の道のりとマーケティング戦略

経済観念的には非効率?リアルプロモーションへの投資の考え方

――マスプロモーションの施策は、具体的にどのようなことに取り組んでいますか。

武内:テレビCM、雑誌、トレインチャンネルやDMなどですね。ふるさと納税は、所得の高い方ほど、控除上限額が高くなります。また、リテラシーという観点では年収が高い人の方が税に対する関心も高かったりします。なので、例えばクレジットカード会員に向けて「ふるさと納税カタログ」を送るなど、セグメントできるような施策を行っています。

「ふるさと納税カタログ」。イベントで配布したり、Amazonで販売もされている

――現状では、デジタルよりもマスプロモーションかける予算の方が大きいのでしょうか。

武内:トータルの予算としては、マスプロモーションの方が大きいですね。また今年の9・10月にそれぞれ東京と大阪で、「ふるさと納税大感謝祭」という大規模なイベントを行ったように、リアルプロモーションへの比重も結構高いんです。

「ふるさと納税大感謝祭」東京会場の様子

 「ふるさとチョイス」はWebで簡単に寄附ができる分、寄附者の方は自治体や生産者の方にお会いする機会がなかなかありません。両者がリアルに出会い、声を聞き合う機会を創出する目的で、イベントを実施しました。その結果、9月初旬に東京ビッグサイトで2日間行ったイベントには、1万人を超える多くの方が来場されました。

東京・有楽町にオープンした「ふるさとチョイスCafe」

 また2016年7月には、東京・有楽町に「ふるさとチョイスCafe」をオープンしました。ふるさと納税がよくわからない方にも、気軽にご相談いただけるリアルな場所を設けています。

――一般的に所得の高い方はITリテラシーが高く、Webサイトで寄附までご自身で完結されるイメージがあります。リアル店舗やカタログというチャネルを用意するのは、ロングテールで顧客層を広げていく戦略なのでしょうか。

武内:本当に年収の高い方はどちらかというとITリテラシーは低い傾向にあります。それは単純に、年代が上がるからで、そのような方たちはご自身ではECを利用したりしないんですよね。実際、「100万円ぐらい寄附できるんだけどどうすればいいの?」とふるさとチョイスCafeに来て、パッと喋ってその場で寄附を決められる50~60代の経営者層の方もいらっしゃいます。

――一般的にWebで完結する事業モデルであれば、デジタルに特化することが利益率を最大化させるかと思います。ネットとリアル店舗の販売網を両方を持つことは、経済観念的には非効率だと思うのですが、投資対効果的にはどうお考えでしょうか?

武内:そこは投資対効果という考え方をしていません。それ以上に、色んな提供価値があると考えています。

 先ほど寄附者と生産者の方の直接会える機会を創出するというコンセプトをお話ししましたが、年末期はふるさとチョイスCafeで毎週のように自治体を招いたイベントを行っています。この空間に集められる人数は多くありませんが、直接対面で触れる機会はすごく重要で、自治体のモチベーションも上がります。

 我々は自治体や事業者・生産者のみなさんとの関係性を重視しています。あくまで、地方自治体の方が頑張って成立する制度なので、そういった方たちが色んな気付き、刺激を得る場を用意しているのは弊社の特徴です。

 東京と大阪で開催した大きなイベントも、有楽町のカフェも、単純に投資対効果でいうと効率的な施策ではありません。でも、地域の活性化に寄与するというプライオリティの高さが、こういった施策に繋がっています。

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マーケティング施策の3つの軸

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2017/11/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/27496

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