変動の早い世の中に対応するために
大澤:時代のスピードが早くなったことで、過去の事例が参考にならなくなってきたことも、僕たちの仕事を難しくしています。
立野:常に世の中の半歩先を見ていないといけない仕事ですよね。
大澤:そうですね。そこにTEKOを5人という小規模で作った最大の理由があります。今は世の中の流れが早く、一気に回さないと追いつけなくなっています。これまでは依頼を受けたら、スタッフィングしてそれぞれの専門部署で分業していても間に合っていたんですが、今ではゆっくりやっていると、作ったものが世に出るまでに、世の中の方が変わってしまってる、なんてこともあったりします。
だからCDで集まって話し合い、その場でアウトプットできるくらいのスピードで対応しないと、企業のニーズに応えられないと思っています。
立野:半歩先を見ているつもりが、いつの間にか半歩遅れていたなんてこともありますからね。クリエイティブな人は、イコール絵が上手い人などということではなくて、常に世の中の先にあるものを見つけて形にできる人なのかもしれませんね。
大澤:TEKOの中には「デジタル・データ」の視点から関わっているディレクター(中村信)もいますが、彼は世の中にあるデジタルをどう使えば企業をレバレッジできるか、商品を届けられるかというところのアイデアに長けています。そして、彼は情報のキャッチがずば抜けて早いんですよ。僕らがアイデアとして考えたことを、最先端のデジタルを駆使して実現することが彼の役割になっています。
2020年を区切りに、今注目していること
大澤:直近で言うと、2020年はファンド業界も影響を受けるのではないかと思います。たとえば2020年以降は、日本にとって厳しい時期になると思いますが、立野さんは今後起こる変化として注視していることはありますか?

立野:私はオリンピックの影響にはそこまでフォーカスしていません。それよりは、若い世代の成長こそが日本の成長につながるので、若い世代が日本の経済に参加してくるタイミングに注目してます。
大人は若い世代へ何かしらの不満を抱くのかもしれませんが(笑)、デジタルネイティブの時代ですから、これからエンジニアリングやデータ解析が当たり前にできる子が多くなるはずです。そして彼らが若手として経済界に入ってくるタイミングがちょうど2020年くらいだと思います。ですから、彼らを大企業が事業に上手く活かす、あるいは彼らが立ち上げる企業が出てきた時に、成長できる環境を作っておく必要があると考えています。
僕らのミッションは、企業を成長させて日本経済に貢献すること。「あの企業があそこまで成長できるなら自分たちにもできるかもしれない!」と思えるような事例を作ることこそ、その第1歩だと思っています。
大澤:我々は、クリエイティビティを提供することで、そのお手伝いができればいいですね。成長した企業の存在を広めることは、我々の本業とするところですので、その点でも力を発揮できるはずです。
立野:スーパーマンでないと企業を成長させられないというわけではなくて、成長する企業が生まれる土壌を作り、成長へ貪欲な経営者を育てることが、日本のためになるかもしれませんね。
大澤:J-GIAとTEKOの取り組みが、その成功事例の最初の事例になれば最高です! 本日はありがとうございました。