営業を本気にさせる見込み度の高いセールスリード獲得法
マーケティング部門と営業部門の間に立ちふさがる壁は、多くのBtoB企業にとって悩みの種である。Webサイトや展示会などでせっかくセールスリードを獲得しても、それを営業部門が有効活用しなければ、マーケティング部門の努力も水の泡だ。皆様の会社でもこんなことが起きてはいないだろうか?
<マーケティング部門の言い分>
・Webサイトや展示会でセールスリードをたくさん獲得したのに、営業はアプローチをかけてくれない
・われわれが苦労して集めたリードは有望な見込客だ。しっかり売り上げを上げて欲しい<営業部門の言い分>
・マーケティング部門が集めたリードは確度が低く、効率が悪くて営業をかけられない
・リードは“数”ではなくて、“質”が大事だ
・今すぐに“売れる”見込客が欲しい
この両部門の言い分は、両方とも間違ってはいない。しかし間違っていないからといって、そこで諦めてしまっては、売り上げが増えないのも事実である。
先進的なBtoB企業では、この課題を解決するために見込客に優先順位を付け、営業部門のほうからWebサイトや展示会で得たセールスリードが欲しくなるような仕掛けを構築している。さて、どのような仕掛けを用いているのであろうか。
Webサイトでセミナーに申し込んだり、詳細資料をダウンロードして個人情報を提供したサイト訪問者は、実はWebサイト上にさまざまな足跡を残している。その足跡を解析することによってサイト訪問者のニーズや確度を分析しているのだ。
アクセス解析を利用すれば、ある見込客がどのような検索ワードで情報を探し、どのページを見て、どのくらいWebサイトに滞在していたかがわかる。またその見込客のWebサイト訪問回数や訪問頻度も把握できる。このような情報に基づき、個々の見込客のニーズや受注確度、アプローチのタイミングを予測し、アプローチの優先順位を付けることで、営業効率を高めているのだ。
またクッキー情報により、何かしらの申し込みや資料ダウンロード時のサイトアクセス情報だけでなく、リピート訪問時のアクセス情報もとらえることができる。継続的にアクセス情報をとらえることによって、製品やサービスを“要らない”から“欲しい”へと変わる見込客の心理をとらえ、獲得したリードを営業部門にとって“役に立つ”情報へと転換することが可能なのだ。
このような情報を取得するためには、やはりアクセス解析を活用することになるが、それに加えてもう一工夫が必要だ。通常サイトアクセス情報と入力フォームに入力される個人情報はデータとしてはつながっていないが、この2種類のデータを技術的につなげるという工夫を加えることにより、前述の営業部門として使えるデータを取得することができる
マーケティングは売れる仕組みを作ることであって、Webサイトを作ることではない。本稿の内容が、Webを活用した売れる仕組みづくりの何らかのヒントとなり、BtoBマーケターの役に立てれば幸いである。