ブランドセーフティに向き合うために必要なことを解説する本連載。第1回となる今回は、ブランドセーフティの対策が難しい理由、またその問題の複雑さを解説する。
広告在庫の品質を見る上で重要な3つの要素
昨今のインターネット広告取引は、旧来の純広告やアドネットワーク型の商品に加えて「プログラマティック取引」とよばれる取引が大きな割合を占めつつあり、高度にシステム化、自動化された仕組みのもと、膨大な広告インプレッションがリアルタイムに取引されています。その取引経路は、複数のSSPやアドエクスチェンジが介在し非常に複雑になっているのに対し、DSPやSSPといったインタフェースを通して、それらを効率的かつ安価に取引することができます。

こうした環境の変化により、広告主視点では、インターネット上の多種多様なメディアやコンテンツ群を訪れるユーザーの中から、ターゲットしたいオーディエンスに対して効率よくリーチできる環境が整備されているといえます。
一方、メディア視点で見ると、広告収入を得るための手段が様々なソリューションとして提供されており、自社サイトのマネタイズ機会を着実に増やしてくれていると考えることができます。こうした状況の中、そこで取り扱われる広告インベントリ(在庫)やインプレッションの「品質」について懸念が生まれており、その対応や対策についての議論が長い間米国を中心に展開されています。近年、日本でも同様の議論が活発にされるようになったと感じます。
こうした広告インベントリの品質に関するディスカッションは、概ね以下の3つのポイントに整理することができます。弊社Oath Japanでも、インベントリクオリティについて責任を持つ部門があり、包括的に下記のポイントをカバーしています。
「アドフラウド」
「ビューアビリティ」
「ブランドセーフティ」
上記3つは、広告インベントリの品質を考える上で、いずれも重要な視点であり、今や広告配信戦略を練る上で欠かすことのできない要素になっています。その一方で、まだまだこうしたポイントを広告配信における戦略に組み込めていない、もしくは具体的にどのように対応すれば良いかわからない、という方もまだまだ多くいらっしゃるのも実情です。
今回は、上記3点の中から「ブランドセーフティ」にフォーカスして取り上げ、その定義や実際の対策、それらをより有用なものにしていくために必要な考え方などについて、わかりやすく整理、解説していきます。
広告主、メディアで定義の異なるブランドセーフティ
ブランドセーフティとは、読んで字のごとく、広告配信時におけるブランドの安全性のことです。さらに、ブランドセーフティは、広告主視点とメディア視点それぞれで定義することができます。前者は、広告主の広告が配信される面やコンテンツが、当該広告主自身、または当該商品やサービスが持つブランドイメージにそぐわないケース。そのブランドイメージを毀損しかねない場所に広告が掲載されてしまうことによって引き起こされるブランド毀損リスク、またその対策がメインテーマとなります。
後者は、自社のメディアやコンテンツが有するブランドに対して、適切ではない広告主や商品の広告が掲載されてしまうリスクとその対策、と整理することができます。
いずれも広告配信にまつわる重要な課題ではありますが、今回はまず、広告主視点からのブランドセーフティについてフォーカスしてみたいと思います。
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高橋 俊仁(タカハシ トシヒト)
Oath Japan株式会社、プロダクトマネジメント&テクノロジー部 部長 2015年2月より現職。OathがGlobalで提供する広告配信プラットフォームテクノロジー全般を統括。また、オーディエンスデータ連携案件を中心に、ビジネスニーズ実現に対しテクノロジーの見地からサポートする、技術コンサル的な役割も担う。O...
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