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デジタルだけでは差別化できないからこそアナログを使おう!KPI、セグメント、シナリオ設計はどうやるか

アナログ施策が購買に与える影響度

 では、アナログ施策は購買にどれくらい影響を与えるのだろうか。

 EventTrack社の調査によると、74%の人が「イベント体験は購買に対して好影響を与える」と回答したという。また中村氏自身、シャノンのブランドイメージを市場に訴求する際にアンケートを採ったところ、「Webサイトだけでなく、カンファレンスを通じてメッセージを伝えた方が、より理解が深まった」という結果が出た経験を持つ。

 かつてシャノンではイベント管理システムを提供していたため、マーケティングオートメーションのソリューションで実績を重ねた現在でも、中には「シャノン=イベント管理の企業」というイメージを持つ人が多かったという。そこで、自社カンファレンスを開始し、現在の強みやマーケティングオートメーションに関する知見を来場者にていねいに説明したところ、人々が抱くブランドイメージが大きく変化したそうだ。

 さっと目視でコンテンツを読むより、イベントやカンファレンスで実際に聞いた話は記憶に残りやすい。これまで広告などで何となく目にしていた会社であっても、実際にその会社の人から話を聞いてから広告を見ると、「この会社だったな」と、より印象に残る。そのためにも「イベントやカンファレンスなどアナログの顧客接点を通じ、理解してもらうという取り組みはとても重要だと考えています」(中村氏)という。

 そこで問題となるのが、デジタルとアナログをどのように組み合わせるかということだ。

デジタル+アナログ施策の効果を上げるための3条件

 中村氏は、デジタルとアナログを組み合わせることに関し、「特別な成功法則はありません」と断言する。成果を上げるためにやるべきことは3つ、「ゴール・KPIの設定」「セグメントとマーケティング」「ターゲットごとのシナリオ設定」だ。実はこの3点は、デジタルとアナログの組み合わせでなくても、マーケティングを進める上で欠かせないことだという。

 実際、企業側もこの3つの重要性については理解している。以前は「マーケティング施策のゴールやKPIは設定しにくい/していない」という状況もあったが、今はしっかりと目的を明確化しているケースがほとんどだ。シャノンでは、クライアント企業を対象に毎年アンケートを採っているが、その結果を見ると、「KPIを設定する」という企業は増え続けているという。

 もちろん、設定するKPIは企業によって多種多様だ。商談件数まで踏み込んでいる企業もあれば、営業に渡すリード件数をKPIに設定している企業もある。ただマーケティングプロセスを考えると、できるだけ最終的なビジネスゴールに近いところにKPIを設定している方が、よりコントロールが効くという。ニーズの掘り起こしから案件までつなげていく中、目標をリード件数といった手近なところに設定してしまうと、最終的な売上増につながらないケースもあるからだ。

 そして成果を上げるために必要なことがもう1つある。それは、毎日KPIを確認することだ。通常マーケティング業務では、数値を月次で管理していることが多い。だがこれだと、「下旬に差し掛かって『目標に到達できない』という場合、リカバリーがきかない」(中村氏)という問題が生じる。こうした事態を避けるため、「日々KPIを管理し、早めの対策を行うことが必要です」と中村氏は説明する。

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/15 10:00 https://markezine.jp/article/detail/28241

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