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60秒動画でも約8割が視聴完了! お~いお茶×AbemaTVのコラボが生んだ効果に迫る


60秒CMにもかかわらず、視聴完了率は約80%

――施策の結果について教えてください。

山田:応援動画に関しては30秒と60秒の尺の素材を用意し配信しました。通常、60秒の尺のTVCMが流れたら長いと感じると思います。また、AbemaTVはザッピングがしやすいUIなので、CMがつまらなければ、すぐにチャンネルを切り替える方が多い。

 その中で、今回は60秒のCMでも78%の視聴完了率でした。これは弊社で配信している他の60秒CMの平均と比べると120%ぐらい高い。さらに、30秒CMの平均視聴完了率も80%程度なので、とても高い数値だといえます。それだけユーザーにとって面白そう、良さそうと思っていただけた結果だと思います。

 また、リサーチ会社協力のもと、実際にこの番組ないし応援動画を見たユーザーに「考えごとをしたい時や集中したい時に飲みたくなったか」というアンケートを取りました。

 その結果、他社のお茶と比べて1位、またコーヒーやエナジードリンクなどと比べても高い数字が出ました。「何かを考える時に飲む飲料」としてブランドリフトできた結果だと思います。

売上への貢献も実感

――小笠原様はこの結果を受けていかがでしたか。

小笠原:「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」では、メディアでも引っ張りだこの藤井聡太七段にも出演いただいたこともあり、非常に話題となりました。そして応援動画の視聴完了率、施策を通してのブランドリフトに関しても満足する結果でした。

 あとは今後、同様の施策を継続的にやる必要性があると思っています。将棋など、静かに考える時にお茶がある。その中の1番のブランドが「お~いお茶」だと思ってもらえると、手に取ってもらえる機会も増えてくるはずです。

 さらに、今回の施策後若年層男性の購買数も相当数増えたことがデータとしても出ています。夏場の売上が数%程度上がったので、その数字に今回の施策は寄与したと考えています。

――山田さんは、今回の施策でどのような気づきを得られましたか。

山田:広告の考え方を改めて考えさせられましたね。これだけの反響につながったのは、「お~いお茶」とAbemaTVのコンテンツの相性が良く、ユーザーにとって邪魔にならなかったからだと考えています。それどころか、「お~いお茶が応援してるんだ」「番組で映るお~いお茶を見てたら飲みたくなってきた」という反応が多く集まりました。

 広告は嫌悪されるものになりがちですが、親和性の高い者同士がコラボレーションすれば、高い効果につながることがわかりました。

自社に合ったメディアと一緒にコンテンツを考える

――最後に、今後の展望について教えてください。

山田:2つありまして、1つは、継続的に取り組みを行うことで、将棋ファンが「お~いお茶」を応援してくれているファンにもなっていただくことです。

 もう1つは、将棋だけではなく、他のコンテンツでもこういった事例を作っていくことです。現在AbemaTVとしては、相撲ブームを若年層の間で起こしたいと思っていて、大相撲1月場所から11月場所までの全6場所を生放送するなど、番組も様々な工夫を凝らしています。伊藤園さんとはもちろん、他の企業も含めて新たなブームを一緒に作っていけたら良いなと考えています。

――小笠原さんはいかがですか。

小笠原:自分たちに合うメディアやコンテンツは、まず自分の目で見て、判断しなければならないと思っています。今後もAbemaTV含めて、自分たちに合ったコンテンツを一緒に提供できるような媒体と継続的に取り組みを行っていきたいですね。

 また、相撲に関しても実は取材の前に一緒に何かできないかご相談していました。実は、国技館に行くと「お~いお茶」が結構置かれていたり、相撲案内所は「お茶屋」という呼び方で親しまれていたりと、とても相性がいいんです。

 一緒に広告の取り組みができれば、相撲協会としてもマネタイズするところが増えるため、弊社、AbemaTV、相撲協会の三方良しになると思っています。すぐには難しいかもしれませんが、今後実現を目指したいですね。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/22 11:33 https://markezine.jp/article/detail/28242

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