Doスポーツを支える動画メディア
MarkeZine編集部(以下、MZ):今回はヤフーの子会社で「スポーツナビ」などを運営するワイズ・スポーツが立ち上げた動画メディア「Spolay(スポレー)」で得られた動画コンテンツ制作のノウハウについて、ヤフーの普川さんと制作運用を支援するViibarの高橋さんに話をうかがいます。
まず、「Spolay」を立ち上げた背景から教えてください。
写真左:ヤフー株式会社 メディアカンパニー
メディア統括本部 メディア本部 グループ推進室 スポーツ戦略室 普川 まど香氏
「スポーツナビ」に関する事業に携わり、現在は動画メディア「Spolay」とDoスポーツ総合情報サイト「スポーツナビDo」の運営を担当している。
写真右:株式会社Viibar 取締役 高橋 俊輔氏
メディア企業の動画事業の支援をミッションとした動画メディア事業部の責任者を務めながら、プロデューサーとして直接企業の支援にも携わっている。
普川:「スポーツナビ」では、感動・観導・Can Doという、3つの“カンドウ”をつなげて、豊かなスポーツライフを実現することをミッションとして掲げています。
感動はスポーツを見て心が揺さぶられること、観導はスタジアムなどでのスポーツ観戦につなげること、最後のCan Doはダジャレみたいですが、自分で実際にスポーツをやってみることを指します。
このミッションのもと、「スポーツナビ」はプロ野球速報アプリの提供などを通じて野球好きの方を中心に人気を集め、観戦者の増加に関してもチケット購入の導線をスムーズにする施策などを展開してきました。
しかし、スポーツを行うところの支援に関しては、注力できていないのが現状でした。そこで、スポーツをしている、したいという層に対してアプローチできないかと考えて立ち上げたのが「Spolay」でした。
MZ:「Spolay」のターゲットについて教えてください。
普川:現在は、20代から40代の女性向けにエクササイズ動画を展開しています。立ち上げ当初はレシピやファッション、メイク、さらには男性用のコンテンツもありましたが、数値が顕著に良かったのが女性向けのエクササイズ動画だったため、現在はそこが中心になっています。
もちろん、男性も含めた多くの方のCan Doにつながるコンテンツを配信したい思いはありましたが、「スポーツナビ」で多くの男性にアプローチできていたこともあり、「Spolay」では女性のDoスポーツの支援に一本化しました。
重要なのは最初の3秒
MZ:ターゲットを徐々にシフトしていったんですね。Viibarさんが参画されたきっかけを教えてください。
高橋:「Spolay」立ち上げに際し、ヤフーさんが動画制作とSNSの運用に関するパートナーを探しており、そこでお声がけいただいたのがきっかけです。
普川:数社から話を聞き検討する中で、Viibarさんは「bouncy(バウンシー)」も運営しており、動画メディア運営に関する多くのノウハウを持っていると思い、一緒に取り組みをさせていただくことにしました。
MZ:女性向けのエクササイズ動画を配信しているとのことですが、具体的にはどういったものを配信していますか?
普川:筋トレやヨガ、ストレッチなど、お家の中で動画を見ながらできるものが中心です。ニュースポーツを紹介する動画も一部ありますが、基本的には見てすぐその場でできる、体を動かすコンテンツがメインです。
MZ:動画を見てみると、O脚の矯正や肩こり解消など、女性の悩みに応えたコンテンツが多く用意されていますね。コンテンツ制作に取り組む際、工夫している点を教えてください。
普川:「Spolay」は分散型メディアとして、InstagramとFacebook、YouTubeなどにて動画を配信していますが、メインはInstagramとFacebookです。両メディアはタイムライン型なので、冒頭で引き付けないと、Doどころか見てすらもらえません。
そのため、最初の3秒でいかに興味を引き付けられるかは常に考えています。
たとえば、季節によってユーザーの女性が気になる部位は変わります。夏になると肌の露出が増えるので、二の腕に関する悩みが出てきますし、冬だと寒くて猫背になりがちなどもそうですね。そういった季節性も加味して、視聴者がその時に引っかかるネタを出せるよう、気を付けています。
高橋:季節性はもちろん、気分も重要ですよね。
普川:あとはファッションの流行とか。スキニーパンツが流行っていれば、美脚を作るトレーニングに需要がありますから。こういった女性ならではの視点も大事にしています。