NTTデータなど11社のパートナー企業と進めるプロジェクト
LINEが幅広い年齢層に定着した“生活者のインフラ”になりつつあるということは、多くのマーケターが言及していることだ。
そのLINEを活用し、顧客対応の新しいダイナミズムを創り出そうとしているのが、「スカパー!」のカスタマーサポートを運営するスカパー・カスタマーリレーションズ(以下、SPCC)と、デジタルシフトウェーブが中心に進めるプロジェクト「次世代スマートコンタクトセンター」である。
デジタルシフトウェーブは、セブン&アイ・ホールディングスの取締役CIOを務めていた鈴木氏が、日本企業のデジタルシフト推進のサポートを目的として、2017年に起業した会社だ。NTTデータやセールスフォースドットコムなど、合計12社が参画する「次世代スマートコンタクトセンター」では、プロジェクト進行を円滑に進めるため、アドバイザーの役割を務めている。
「電話、メールにLINEなど、お客様は多様な手段を用いて日々コミュニケーションをしています。スカパー!の顧客対応を万全とするため、お客様一人ひとりへ個別対応ができる体制を目指し、このプロジェクトを始めました。具体的には、スカパー!の顧客IDとLINEを連携することから取り組んでいます」(出水氏)
2014年のリリース直後から、LINE活用を模索
SPCCは、LINE ビジネスコネクトが2014年にリリースされて間もないころから、カスタマーサポートにおける活用の形を模索してきた。実は、この動きにインスパイアを受けたLINEが、2017年4月に顧客対応に特化した「LINE カスタマーコネクト」をローンチしたという経緯もある。
当時、LINEをカスタマーサポートの場として利用しようとする企業は、ほとんどいなかったはずだ。なぜ、LINEに着眼したのか。
出水氏は、「お客様のコミュニケーションツールへの変化に対応するためには、LINEとの連携が必須だから」と即答した。
「電話、メールに加え、チャットも出てきた昨今、多様なツールに対応するには、Peer to Peerのツール間連携が欠かせません。そこで、LINEです。
LINEは、チャットボット機能やクラウド対応が可能ですし、既にここ数年で生活者に定着したインフラとなりました。企業とお客様との間に生じるコミュニケーションを円滑にするツールには、LINEが最適であると判断しました」(出水氏)