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コルクの佐渡島氏が語る、『君たちはどう生きるか』ヒットの理由&コミュニティ起点の熱量の拡げ方


コミュニティに必要なのは、安全・安心

――なるほど。では、今回の佐渡島さんの書籍『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』のテーマになっているコミュニティについてうかがいたいと思います。本書では、コミュニティでまず大事なのは「安全・安心」だと語られていました。

佐渡島:まず、「安心・安全」でなく「安全・安心」という順番が大切です。コミュニティに限らず、世間的に「安心・安全」と言われることが多いですよね。語呂が良いからかもしれませんが、やはり「安全」が先にあることが重要だと考えています。安全が確保されてから、安心が確保されるので。その順番は大切にしています。

――コルクでは、たとえば『宇宙兄弟』の著書の小山宙哉さんの「コヤチュー部」などのファンコミュニティを運営されながら、コミュニティ論を学ぶためのコミュニティ「コルクラボ」も運営されています。そうした場で、コミュニティに入ってくる人が「安全・安心」を感じるというのは、具体的にどういうことでしょうか?

佐渡島:たとえば、これは会社としてのコルク自体の話ですが、羽賀君はずっとコルクのサイトで「今日のコルク」という漫画を連載していたんですね。その漫画には、僕や会社のメンバーがたくさん登場しています。なので、転職してきた人は羽賀君を見ると「今日のコルクを描いていた人ですよね!」と言うし、他のメンバーのことも初対面に思えなかったりします。親近感があるんです。

 会費制のコルクラボでも、日々オンラインで様々なやり取りがされているので、定例会やイベントで初めて会った時も、安心感が違いますよね。

コミュニティは日常、それ自体が熱狂するものではない

――“相手のことを知っている”ことが、安心につながるということですか?

佐渡島:そうですね。自分のことを知ってくれているという安心感もあります。またそれ以前に、「あなたを知っていますよ!」と親近感を寄せる人に対して、人は排他的にならないんです。

 コルクのメンバーには、自分たちの価値観をさらけ出すことが、自分の安全・安心につながるし、相手の安全・安心を確保することにもなるのだといつも伝えています

 今までオンラインでは、一方的に一般人が有名人を知るという図式しかありませんでした。それが今では、一般人同士も知り合えるようになっている。オンラインでもクローズドな場だと、意外に仲が深まったりするので、頻繁に合わなくても人間関係が深くなりやすいというのは、現代ならではの傾向で興味深いところです。

――書籍では、安全・安心を前提に熱狂を生み出すことがコミュニティの成長に必要だと詳説されていましたね。

佐渡島:コミュニティ自体には、目的はありません。コミュニティは日常なので、普段の会話の一つひとつが熱量を持っているわけではないんですよ。僕が言っている“熱狂”は、コミュニティ内で動いている各プロジェクトがゴールに近づくことで生まれていくもので、コミュニティそのものの熱狂は描いていないんです。

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一枚のTシャツからだって、コミュニティは拡がる

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2018/07/12 09:59 https://markezine.jp/article/detail/28739

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