購買意欲が91%まで上昇、態度変容の促進に手応え
MZ:購入意欲の調査結果はいかがでしたか。
須藤:まず、動画広告実施前に「乳酸菌ショコラを知っている」と回答したユーザーの70%に購入意欲がありました。それに対し配信終了後、今回のクリエイティブに接触したユーザーの91%が「購入したい」と答えており、購買意欲が上がっていることが明らかになりました。

動画広告の接触者は商品理解度も高いという結果が出ていますし、買いたいという態度変容が生まれるクリエイティブだったという証明になりました。さらにリーチを広げることで、より多くの方の購入意欲を高めることができるだろうという仮説が導き出せたと思います。
中村:広告の役目は認知を獲得し、購入意欲を上げ、将来のお客様につなげるものと定義し、購入意欲の醸成をKPIとしていました。そして、過去行ってきた調査と比べても、ここまで購入意欲が大きく伸びるケースは珍しいです。これはインサイトを踏まえ、それに適したクリエイティブを制作できたからだと思います。今後のコミュニケーション施策を行っていく上で、ヒントとなる気づきが多かったですね。
須藤:マーケターである中村さんがお客様のインサイトを深く理解し、はっきりとしたゴールをお持ちだったことも重要なポイントです。明確なオリエンテーションをいただけたからこそ、私たちも自信を持って成果が出せるクリエイティブの支援ができました。

MZ:次のステップに向けて、課題はありましたか?
須藤:動画広告がどの程度の売上につながったかを可視化することができていないのは課題ですね。これが実現できるとこれまで「テレビCMを打つため、大きく商品を展開してくれませんか」とメーカーの営業さんが行ってきた提案が、デジタル広告フックでもできるようになり、予算も大きくなると思います。
中村:デジタルに限らず、広告がどのくらい売上に貢献したかの数値化は難しい分野です。本施策は東京のみでしたが、実施エリアで動画広告を配信した週の売上は確かに伸びているので、効果の一因にはなっていると実感しています。
リアル店舗との連動にも期待
MZ:最後に、今後の展望についてお教えください。
中村:今回の施策は、スモールスタートで検証するフェーズだったので、継続的にスケールを大きくして施策を行いたいですね。そして検証結果をデジタルだけにとどめることなく、マスの広告にも反映していけるように動いていきたいです。
須藤:中村さんがおっしゃる通り、大きく展開して検証を続けながら、売上の可視化を実現したいです。その手法として、たとえば店頭サイネージでマルチクリエイティブの動画を配信し、購入数の推移や店舗ごとの比較など、リアルな動きを分析したいです。

MZ:小売店にとってもおもしろい取り組みになりそうですね。
中村:お菓子は非計画で突発的に購入されることが多いため、店舗の中で接触するタイミングがとても重要になります。店頭サイネージの活用は小売店にとっても良いと思いますし、売上を後押しするためのフックになりそうです。今後はリアルな場でも、検証できるようなマーケティング施策を考えていきたいですね。