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マーケターは「コミュニティ」とどう向き合うべきか


HuluにSoFiなど、Facebookのグループ活用事例

松澤:グローバル、日本国内を問わず、Facebookのグループ機能を活用している企業はありますか?

facebook 代表取締役 長谷川倫也氏
フェイスブック ジャパン プロダクト・グロース・マネージャー 長谷川倫也氏

長谷川倫也:動画サービス「Hulu」は、ある海外ドラマがスタートした時に、Facebookでそのドラマ専用のコミュニティを作りました。そこで未公開映像を配信したり、出演者とのQ&Aができる場を提供したり、特集イベントを開催したりしたのですが、このコミュニティによってドラマ自体が非常に盛り上がったのです。

 このコミュニティは、最初はあえて秘密のグループとしてスタートしており、コアなファンやインフルエンサーに招待コードを送っていました。その後、ドラマが配信されてからは非公開グループに、現在では公開グループになっています。そうしたプレミアム感も奏功したのでしょう

 これを転用するのなら、企業の中の特定のプロジェクトでグループを作ってみたり、多くのブランドを手掛けている企業であれば、ある特定のブランドでグループを展開すると良いと思います。

松澤:なるほど。海外ではそのような事例がすでに出てきているのですね。

長谷川倫也:ええ。もう一つおもしろい事例があります。これも海外の事例ですが、学生向けローンのSoFi(ソーファイ)というスタートアップ企業もグループ機能を上手く活用しています。彼らは、顧客限定のグループをFacebook上に作り、そこでキャリアやお金の相談ができるようにしました。

 すると、グループ開設前はユーザーベースの約3%にしかアプローチできていなかったのに、2年足らずでグループメンバーが4万人にもなったのです。お金の相談ってなかなかしにくいので、こういう場が潜在的なニーズにぴったり合致したのでしょう。さらに驚くべき点は、4万人のメンバーのうち、30%がDAUであることです。コミュニティを軸にして、それまでのトラディショナルな金融系のローン企業との差別化に成功した事例と言えるでしょう。

スノーピーク、日本酒応援団など日本でもおもしろい事例が!

松澤:日本ではいかがでしょうか? なにかおもしろい取り組みは出てきていますか?

長谷川倫也:興味を持っているのは、スノーピークさんですね。スノーピークさんは、企業のFacebookページとは別にグループをお持ちです。そのグループでは、利用者同士が自ら「このグッズが良かった」「キャンプ楽しかった」というように、活発にコミュニケーションされています。

 広報向けのページと、アクティブなコミュニティとしてのグループの両方が使われている例ですね。ページとグループの違いは、ページは発信者が一人である一方、グループはメンバー全員が発信者になれる点です。

 意義のあるコミュニティ形成は、ファネルの最下層である、企業への代弁者へのリーチを可能にします加えて、コミュニティでの活発なコミュニケーションは、潜在顧客をファネルの下位層に押し下げることも可能にします

松澤:コミュニティに入ると、社員一人ひとりの顔が見えて、利用者にとってはすごく親近感がありますよね。オンライン上ではありますが、メンバーの一員になるという感覚は、企業に対しての愛着を生むのではないかと思います。

長谷川倫也:そうですね。もう一つ例を挙げると、日本酒応援団というコミュニティの活動も活発になっています。これは美味しい日本酒と、日本酒の良さを世界中へ届けることを目的として、日本酒好きの方たちがボランティアで始めたグループなのですが、今は6つの酒蔵とパートナーシップを結んで、ビジネスも展開していますよ。

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コミュニティを作る時に意識するべきポイント2つ

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この記事の著者

松崎 美紗子(編集部)(マツザキ ミサコ)

1995年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、新卒で翔泳社に入社。新入社員として、日々奮闘中です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/07/20 11:13 https://markezine.jp/article/detail/28782

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