SNS時代のコミュニケーション術を知ることで、偶然を戦略的に実現する
この奇跡の5社コラボレーションが、完全に偶然による展開だったのか、裏で広告代理店による企画設計があったのかはわかりません。しかし、今回の企画が、巧みにSNS上の独自カルチャーやSNS上で情報が広がりやすい独自の文脈にのっとって話題化し、ブランドの認知・好意形成に寄与したことは間違いありません。
本連載でも紹介しましたが、かつて日清の「どん兵衛」ではソーシャルリスニング(口コミの収集・分析)によって自社ブランドがSNS上でどんな風に話題となっているのかを分析し、その文脈にのっかる企画を次々と打ち出して大きな話題を作りました(詳細はこちら)。
今回は、既にある情報を使った訳ではなく、SNS上のカルチャー、文脈を理解した上でゼロから話題となるネタを生み出した点で、さらにSNS時代の企業コミュニケーションの可能性を感じさせるものでした。
今回の企画が意図的に設計されたものであれば「やられた」といった感じですが、そうでないのであれば、本記事のようにこうした偶然のヒットを解剖し、ヒットのポイントを抽出してそこから学ぶことがSNS時代の企業コミュニケーション設計を考える上でヒントになるといえそうです。